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大人のADHDが漫画を描いてKindleで出版を始めた話

こんにちは。40代でADHDと診断を受けた元デザイナー・松坂ゆうです。先日、1年半勤めた会社をADHDが原因で休職し、退職しました。

漫画を描こうと思ったワケ

漫画形式が描けず悔しかったから

ADHDがまだ診断されていなかった頃から、私はアニメや漫画が大好きで、絵を描くことも大好きでした。
でも、絵で頭の中に浮かぶイメージを表現するのは得意だったけど、その絵の意味をきちんと伝える漫画表現には苦手意識があったから、ずっと避けてききました。
描きたいのに描けない。根っこの理由がわからず、諦めてモヤモヤぼんやりと時間だけが過ぎてきました。

漫画を描く時につまずいたADHDの特性

例えば、2人の人が話しているシーンがあるとします。
この2人の性格や関係、世界観は既に設定してあって、特定の場面でその設定を活かして会話を進めていったときのことです。

yes・noで答えられるクローズドクエスチョンの答え方が、キャラクターの性格に合わない場合、そのキャラクターがなぜそう行動するのか、どのような結果になるのかを段階的に整理することができず、読者に作者の意図が伝わらなくなってしまうことがありました。
また、デッサンや映像の見え方など視覚の情報整理に囚われ、ストーリーの整理が進まず、少ないページでも描き上げることが非常に難しい状態でした。

ADHDの特性で、

  • 会話中、自分の中では話題の意味が繋がってると思っているけど、相手にとっては脈絡が飛んでいると感じられる

  • 話しながら話題のテーマを忘れているので、言っていることに矛盾が出ている

という指摘を受けたことがあり、制作物にも同じツッコミどころが頻発し、描けなくて苦しかったのだと思います。

今になって理由がわかってもなあ……でも、描けないのはホント悔しい。
どん底の今でも絵を描いている私は、やっぱり『描くこと』で生きてるんだと思う。
このままでは、死ぬに死にきれん。

40代にしてそれがようやく理解出来たので、漫画家の先人たちが生み出した漫画フレームワークを、『型』として吸収すれば、工夫次第で回避できるのでは? と感じて、離職した今だから出来るチャレンジを始めました。

『漫画を描くこと』がADHDの脳トレにもなる

漫画を描く作業は大まかに分けて、

  1. ネーム(ストーリーの文章や絵を入れたコマをページにどのように配置していくかの設計図)作成

  2. 下書き

  3. ペン入れ(下書きの清書)

  4. 仕上げ(着色や効果を描き入れる)

という工程を経て、印刷されたり電子書籍となって、読者にお届けされます。

特に1.ネーム作成とは、

文章+絵(またはどちらかのみ)の入ったコマの連続を、読む人に伝わるようわかりやすく意図して組み立てる=自分の思考・意志を整理して、最後まで伝えきること

なんですが、ネーム制作作業って、ADHDのための最強の脳トレなんじゃないかと思います。

自分とは全く違う人物・状況を描いていても、『自分』というフィルター越しの表現のため、普段起こしがちなコミュニケーションエラーのパターンを、漫画の中で無意識に自分が一番理解できる形で視覚化していたんです。

そして、ネームを描きあげて読み直し、矛盾やエラーを見つけては何回も描き直していくうちに、漫画の『私らしい型』も見えそうな気が。

まだ、作品を読んでもらうことや感想をいただく経験が少ないため、これからさらにブラッシュアップしていきたいと思います。

エッセイ漫画をKindle direct publishingで出版してみた

良い気づきを得て、少し苦手意識が薄くなってきたので、最近通っていたジムを某コンビニジムに移籍したエピソードから、日常生活を短いエッセイマンガとして描くことにしました。

思い立ったら、電子書籍が発行できてしまう時代って、すごいですね。
アマゾンのKindleダイレクトパブリッシングを活用して、無料掲載・閲覧も無料でいけるインディーズマンガというカテゴリーに掲載スタートしてみたのでご紹介します。

うわあ〜〜〜〜〜〜つたない笑 でも新鮮。
同人誌作ってた学生時代に戻ったようで、めちゃめちゃ楽しいです!

現在は2話を制作中です。公開したタイミングでXを更新していきますので、世界の片隅にこんな奴居たな〜と覚えておいていただけたら幸いです。


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