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舞台の催しが中止になったら

今日は2020年3月イベントが全部中止になった時の対応について

イベントの中止
スタッフはキャンセル対応に追われます。

新型コロナ感染症の感染拡大に伴うキャンセル
主催者の本意ではなく、中止を余儀なくされたと言えど
キャンセル料を頂かないわけにはいきません。
公的機関や福祉団体でもない場合は、
多くの方は言い出しにくくても切り出すしかない状況ではないでしょうか。辛い仕事です。

でも、ほんの少しだけ気が楽になることがありました。

それは「キャンセル規定が明確だったこと」です。


舞台の見積もりの流れ

舞台に関わる仕事は少し特殊です。
見積もりはするのですが、商品が目の前にあるわけではありません。
会議室などの普通のお部屋で、相手のイメージを聞きながらイメージを膨らませていきます。
例えば、必要な 物・工程・演出の規模・必要な機材・作業日数・技術者の人数など順を追って、シーン展開を伺いながら算出します。

例えば 「講演会をしたい」方との打ち合わせなら
 「タイムスケジュールは決められていますか?」
 「舞台で準備して欲しい物品はありますか?」
 「司会はお客様の見えるところでされますか?」
 「司会用の台は必要ですか?」
 「講演される方は何名ですか?」
 「演台を使用される講師は何人ですか」
 「全体が明るいじょうたいですね」など
1時間弱の打合せとなります。

最終的にサービスが納品されるのは「本番」です。
会場に入ってからの変更も多いので、
本番終了時に価格の変更がある場合も発生します。

お客様は完成を「想像」して購入する感じで
信頼関係のみで成立しているようなものです。
お互いの頭の中の「イメージ」を近づけることが重要になります。
ふんわりしているからこそ
「事前の説明」「変更時の説明」が重要になります。


キャンセル規定の大切さ


所属している会社では、キャンセル規定を作成しており
打ち合わせ時に書面を提示して細かく説明していました。
今回の事とは関係なく何年も前からです。

キャンセルを受けた日時・本番までの期間・準備物の特性など
いくつかの視点で分類してキャンセルのパーセンテージを
段階的に変えています。

「何かあった時のキャンセルポリシーになります」
まさか現実に「何か」が起こるとは思いもしない
冗談半分で互いに笑ってした会話がこんなことになるなんて

数年に渡り手渡して説明させていただいていたおかげで
皆さんご理解いただけました。

主催者側は予算が厳しく
払わないで済むならそれに越したことはないけれど、
中止の際のリスクについて説明を受けた上で納得して依頼していたことで
とても冷静に対応していただくことが出来ました。

主催者は打ち合わせの時点で
業者が提示した条件に納得がいかない場合は発注業者を変更する権利」があるからです。

自分で選んだ事
それでもやると決めた事

アマチュアであっても
皆さん重たいものを背負って舞台に立たれます。


キャンセルの条件は遠慮なく聞いてください

キャンセル時の条件を聞くのは失礼なのかな?
気を使ってくださる方もおられます。
遠慮なく聞いてください。
・打ち合わせ直後で見積もり項目がまだ出そろっていない場合は
・現時点でオーダーされた演出に必要な物が揃うかどうか分からない
・主催者側で予算の調整が必要で答えが出ていない
こともありますが、
聞いていただけたら「現状を正直にそのまま」お伝えします。


業者選定の基準の一つ

もしもキャンセル料の話をしてみて嫌な顔をされたら、
それは目の前のあなたの事を真剣に考えていないからかも?
双方に色々な意見や理由があると思いますが、
話しやすい関係でないと良いイベントにならないと思います。

キャンセルは無い方がいい
でもリスク管理の一つです。

昨年から続くイベント自粛の流れの中でつくづく思うこと

キャンセル対応の数 = 尊敬と感謝の数

辛い作業にも学びがありました。



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