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憲法の基本のき

皆さんこんにちは。今日は何の日だか知っていますか?今日は憲法記念日です。現在の日本の憲法である日本国憲法が施行された日です。

今日は自分の復習もかねて、改めて憲法の基本についてできる限りわかりやすく書いてみたいと思います。

そもそも憲法ってなんだ

そもそも憲法って何でしょう。「憲法」という言葉が意味することは一様ではありません。憲法学の分野には「憲法と名の付くものが憲法である」というわけのわからん考え方さえあるようです。

一般的には「憲法=国家の基本を定めた法」という理解がされます。このような憲法は憲法学的には「固有の意味の憲法」と呼ばれます。王様が治める国でも、日本のような民主主義の国でも、国家というものが存在する限り「固有の意味の憲法」は存在しています。たとえば古代ローマやギリシャにも国家のあり方を定めた「固有の意味の憲法」が存在していたといわれています。日本でいえば聖徳太子の「憲法17条」や明治維新の時に天皇が発布した「五箇条の御誓文」も「固有の意味の憲法」の一つです。

もう一つ重要なものに「立憲的意味の憲法」というものがあります。これは「国家権力を制限して国民の自由と権利を保障するための法」のことを言います。このように国家権力を法でしばった憲法に基づいて政治を行うことを「立憲主義」といいます。「立憲的意味の憲法」は中世に生まれました。初めは宗教家や商人などの特権階級の人々が、自分たちのお金や権利を守るために、王様の権力を縛ろうと思い付き生み出したものでした。そこに人間は生まれながらにして、生命、自由、財産に対する権利「自然権」を持っているとする自然権思想が加わり、現在の様々な国の憲法につながる近代憲法の基本が出来上がっていきます。

日本国憲法も近代憲法の一つです。ですから基本的に日本国憲法も「国家権力を縛るもの」です。法律は国民を縛りますが憲法は国家権力を縛っています。これは憲法のことを考えるうえで大事なポイントです。

日本国憲法の三大原則

日本国憲法には3つの原則があります。これは学校の教科書にも載ってますので、皆さん覚えてるかな?

答えは「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の三つです。

まずは国民主権について。主権とは簡単に言うと「国の最高の力」ということです。(だいぶ雑です。すいません。)そして国民主権とはこの「国の最高の力」をもっているのは国民だよ、ということです。ですからこの国の最高の力をもったわれわれ日本国民は選挙権をもち、選挙を通してその力を自分たちの代表者=政治家に預けて、政治を行ってもらっているのです。

次に基本的人権について。基本的人権とは「人間が生まれながらにしてもっている権利」のことです。日本国憲法には「表現の自由」(自由に言いたいことをいっていいよ。)「思想・良心の自由」(どんな考えを持っていてもいいよ。)「信教の自由」(どんな宗教を信じてもいいよ。信じなくてもいいよ。)「学問の自由」(どんなお勉強をしてもいいよ。)「婚姻の自由」(誰と結ばれてもいいよ。)など、国民の持つ沢山の権利が書かれています。しかし、国民はその権利をどんなふうにでも使っていいわけではありません。日本国憲法には「公共の福祉」に反しない限り、と書かれています。公共の福祉をどのように解釈するかには議論がありますが、基本的には「他の人権を害しない限り」と解釈されます。公共の福祉を「社会公共の利益」ととる考え方もあるようですが、日本国憲法には「すべて国民は個人として尊重される」と書かれており、公共の福祉を社会公共の利益ととらえてしまうと、個人よりも社会全体が大事、ということになり、「個人の尊重」の考え方と相いれないことから「他の人の人権を害しない限り」ととらえるのが一般的です。

次に「平和主義」について。これは日本は戦争をしませんよ、軍隊ももちませんよ、という原則です。日本国憲法の「平和主義」の特徴は外国のことを信頼して武力を放棄する、と定められていることです。また日本国の憲法であるのにも関わらず、全世界の国民が平和な世界で生きる権利がある、と述べているのも日本国憲法の大きな特徴です。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。  ~ 日本国憲法前文より抜粋 ~

しかし、日本国憲法の平和主義に関しては、しばしば議論が巻き起こります。たとえば日本国憲法が定める平和主義はユートピア的(空想的、夢のような話)思想にもとづいた自衛権の放棄だ、という批判があり、より現実的な内容に改正すべきという意見があります。また日本国憲法の内容は現在日本の防衛を担っている自衛隊の存在を否定していると読むこともでき(政府の解釈は自衛隊は合憲。しかし憲法学者の六割以上が自衛隊は違憲、または違憲の恐れがあるとしている。)、自衛隊の存在を明記すべきだ、という意見が最近よく聞かれます。

一方、今の憲法の平和主義は第二次世界大戦の反省からきているものであり、戦後、日本が平和な社会を構築してきた中で、またこれからも平和な社会を構築していくうえで必要不可欠なものであるとの見方から、日本国憲法の平和主義のかなめである九条の改正には慎重な声も多く聞かれます。

最近話題の憲法改正

先ほどすこし書いてしまいましたが、最近憲法改正が社会のなかで話題になっています。今の政権が改正しようとしているのは憲法第九条に自衛隊を明記する案ですが、憲法を改正しよう!という声は今に始まったことではなく昔からありました。改正をする一番の理由は「今の憲法はアメリカから押し付けられた憲法だ」という考え方です。実際いまの憲法は、戦後すぐまだ日本がGHQの支配下に、あるときにGHQから示された草案をもとに作成されたものです。また時間的な制約がかけられ、GHQ側から「天皇制を残すためにはGHQの草案をとれ、さもなければ天皇の身体の保障はできない」といった趣旨の脅迫めいた発言があったとされており、(当時憲法改正担当大臣だった松本烝治の発言による。)これらのことなどから、現在の憲法は押し付けられた憲法であるから、自分たちの手でもう一度憲法を作るべきだ、との意見があるのです。(現行憲法の制定過程については大幅に削っているため、詳しく知りたい人は調べてください。すいません。)

しかし、それでも多少の修正が加えられ、日本の議会で議決され発布されたのもなので、押し付けではない、との意見もあります。

憲法改正は最終的に国民投票できまります。私たち国民が憲法を変えるのか変えないのかを判断しなくてはいけません。憲法がどんなものなのか、改正についてどんな意見があるのかをしっかり知っておく必要があると思います。頑張ってわかりやすく書いたつもりなんですけど、どうだったでしょうか。あくまで高校生が理解できた範囲で書いているので、もっと詳しく!という方はぜひ本などで調べてみて下さい。

             カラフルデモクラシー  松浦 薫


参考文献   高校生からわかる日本国憲法の論点  伊藤真

       日本国憲法改正草案Q&A    自由民主党

       Wikipedia


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