「ようこそ 虹いろ図書館と本の世界へ」の舞台裏 その2

今年、オンライン会議が多くなり、招待されて参加したり、無料のアプリを使って主催することは数あれど、イベントをオンラインで開催する、は初めての体験。「櫻井とりおさんのトークライブをオンラインで!わ〜〜!!楽しみ〜〜」と、河出書房新社の加藤さんと盛り上がったものの、はて、主催者としてツールは?

氷室冴子青春文学賞は、日本最大の小説投稿サイト、エブリスタのみなさんの多大なる特別協力のもと開催しています。時代の最先端をいく文学の楽しみ方と言っても過言ではありません。数年前、渋谷ヒカリエにあるエブリスタを訪ねた時、Tシャツにジーンズにスニーカー姿の、当時の若き代表、芹川太郎氏が颯爽とノートPC片手に現れ、DeNAのラベルが貼られたミネラルウォーターを差し出してくれた時、その海外感の眩しさにクラっときました。さしづめ、ちょんまげの江戸侍が鼻の高い西洋人に出会ったがごとく。明治維新。

実はわが岩見沢は、スマート農業(かつてはロボット農業と言っていたのでしょうか)でICT技術においては世界最先端をいく研究の実証と社会実装のまち。海外からも視察団がよく訪れているようです。池井戸潤さんの「下町ロケット ヤタガラス編」で無人トラクターが描かれていましたが、まさに、岩見沢の農家さんの一部はICTを駆使してスマートな農業を営まれています。ロボットトラクターが動いてる時間何やってるんですか?と聞いたら知り合いの農家さんは「YouTubeみちゃうねえ。うそうそ。わっはっは。」と高笑いしていました。そんな明るい先端地域なのですが、市民生活におけるICT化はまだまだ遠く。だって、ネットでごにょごにょやってるより車飛ばして直接会いに行った方が早いんですから。まだガラケーの友人もいます。

話を元に戻しますが、今回オンラインでライブをとなった時、ここは時代についていけるかの分かれ道、一気にオンラインツールの知識を身につけるべく、文学賞スタッフも立ち上がることにしたのです。なんたってスマート岩見沢。まずはエブリスタでお世話になっているやり手美人編集者松田さんにツールのことを相談したところ、セキュリティなどもろもろの懸念材料が噴出。さすがエブリスタの方だなあと呑気に感激している場合ではなく、ツールはツイキャスがいいのか、ラインライブがいいのか、はたまたYouTube?といろいろ試し、調べまくり、河出書房新社の岩崎女史のご助言もあり最終的にZoomのウェビナー機能を使う、に落ち着いたのです。ラインライブのお試し中には、テスト画像が世間に流出してお騒がせしました。見苦しいところをおみせしてすみません・・・。

さてZoomのウェビナー、有料なのですがとても便利でした。時間制限なく人数も100名(金額によってそれ以上)まで参加可能、ホストが視聴者の音声や画像を管理できるので安全性も高く、録画もできるし画像の共有もチャットも、至れり尽くせりでした。文学賞の女性スタッフ数名と何度も練習を重ね、な、なんか私たち使えてる・・・!という域に達した時のこの感動。芹川太郎氏の洗礼を受けた文学賞に、文明開化の音が聴こえた瞬間でもありました。いざスマート文学賞。

まあ、そんなこんなで企画が固まり、櫻井とりおさんのオンラインライブ開催へとまっしぐらとなったわけですが、次回は、当日の開催の模様をお伝えしたいと思います。

ではみなさま、素敵な一日をお過ごしください。 栗林千奈美

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