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生活すること/つくること

自分の状況を説明しても、そんなに簡単には理解してもらえないだろうということは分かっていた。
でも、手を動かして、時間を費やして、あまりお金にはならないけれど大事だと思っていることに心血を注いでいるひとになら少しは汲み取ってもらえるんじゃないかと思って話してみたんだけど、やっぱり全然あさっての方向から答えが返ってきた。
こういうことに、もう過剰にがっかりしたり、厭世的になったりすまい、と思っているんだけど、やっぱりがくっと来る。

横に経済を勉強している学生がいて、芸術家は大変ですね。
でもちゃんと学校に行って資格を取って、自分で会社を作ったら国からの援助もあるので、多くの人をやとって一緒に製作をしたらいいのではないですか。
という風に助言をしてくれたのだけれど、ああこんなにも芸術というものが知られていないのかということに、まあもう驚きはしないけれど、「うん、そうだね、ありがとう」と小さな声で言うことしかできなかったのは、いかんせんこういう反応に疲れていたからだ。
それに、もちろん世の中はどちらかといえばそういう方向でものごとが進むのだから、彼女を責められはしない。
もしかしたら本当にいいアイデアなのかもしれない。


「やっぱりちゃんと売れて、名前が広がって、そこからしか話は始まらない」
ということに私は懐疑的だ。

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