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コーラ職人「日本を、飲む。」

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コーラ職人コーラ小林の「日本を、飲む。」第12話。「高知・佐川町のカワラケツメイ」

コーラ職人コーラ小林の「日本を、飲む。」第12話。「高知・佐川町のカワラケツメイ」

全ての旅には物語がある。

今回は高知県の佐川町へ。

もともと、毎年イヨシラムコーラフェスというイヨシコーラとラムのカクテルイベントを全国で行っているのだが、高知県の「Bar Bitter Fruit」さんが、イヨシコーラのラムカクテルを日本で一番販売されたことから御礼に高知に伺ったのだ。

そのタイミングで高知の薬草を調査していたところ、マメ科の植物の「カワラケツメイ」を佐川町のお茶農家の岡林

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コーラ小林の「日本を、飲む。」第10話。高尾山のドクダミ(十薬)

コーラ小林の「日本を、飲む。」第10話。高尾山のドクダミ(十薬)

導かれるようにその場にたどり着いた。

その山は都内にも程近いが、豊かな自然に恵まれ、多くの人が訪れる。
また、本拠地のある新宿と祖父の出身地である伊那を結ぶ甲州街道の途中に位置し、さらには医薬の仏、薬師如来を本尊とする薬王院が存在する。

伊良コーラとの親和性の高さから、何らかの取り組みを模索していた。
そう、高尾山だ。
山の麓にあるカフェ&バー、ゲストハウス「Mt.TAKAO BASE CAM

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コーラ小林の「日本を、飲む。」北海道上川町のクマザサ

コーラ小林の「日本を、飲む。」北海道上川町のクマザサ

今までの「日本を、飲む。」で最も命懸けだった。

その理由はヒグマ。
日本に生息する陸棲哺乳類で最大の種で、国内では北海道のみに生息する。

そして、今回のキー素材である「クマザサ」。それは山奥に多く繁茂するのだが、まさにそこはヒグマの縄張りに他ならない。
部外者である人間が、彼らの日常生活の中に踏み込んでいくわけなので細心の注意を払う必要がある。

迎えた採取の当日、上川町でクマザサの採取・加工

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コーラ職人コーラ小林の「日本を、飲む。」2023年5月「富士吉田の新ヨモギ」

コーラ職人コーラ小林の「日本を、飲む。」2023年5月「富士吉田の新ヨモギ」

今回の記事はとても短め。
理由は後ほど。

2023年5月、コーラ小林は富士吉田でヨモギを摘んでいた。隣には伊良コーラのメンバーと、HERBSTANDの平野優太氏。

そもそもの出会いは三軒茶屋のファーマーズマーケットだった。
平野氏が富士山麓で野草を採取したり、ハーブを育てていらっしゃることを知り、早速、日本を、飲む。で一緒に取り組みを行おう、という約束をした。

そして迎えた当日。ハーブスタン

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コーラ職人コーラ小林の「日本を、飲む。」「千葉・山武の煎り落花生」

コーラ職人コーラ小林の「日本を、飲む。」「千葉・山武の煎り落花生」

2023年1月。
コーラ小林は新しいコーラ缶の開発でてんてこまいだった。

昨月(2021年12月)の日本を飲むは欠番となり、1月は「日本を、飲む。」の新たな挑戦をしたいと思っていたが、なかなか時間をあけられなかった。

そうこうする間に、ピーナッツバター工場に行く日が近づいてきた。

ピーナッツバター工場?

実は、コーラ小林のサラリーマン時代の先輩の「中野さん」は「ハッピーナッツデイ」というピ

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コーラ職人コーラ小林の「日本を、飲む。」2023年4月「千葉・大多喜の花と蒸留粕」

コーラ職人コーラ小林の「日本を、飲む。」2023年4月「千葉・大多喜の花と蒸留粕」

2023年3月、コーラ小林は千葉・大多喜にあるクラフトジンの蒸留所「mitosaya」にいた。

以前から親交のある「mitosaya」の蒸留家・江口さんを訪ね、構内の植物、特に花を使ってクラフトコーラシロップを作ろうと思っていた。

コブシやウグイスカズラを摘む。

十分な量の花を摘み終わり、江口さんに蒸留所を見学させていただく。
すると、その際に、様々な植物の蒸留粕が存在することが判明。
併せ

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コーラ職人コーラ小林の「日本を、飲む。」「山形・高畠の洋梨。百年の古木。」

コーラ職人コーラ小林の「日本を、飲む。」「山形・高畠の洋梨。百年の古木。」

洋梨の話をいただいた時、実は最初はそこまで興味が湧いていなかった。

話をいただいた経緯としては以下の通り。

「DEAN & DELUCA」さん(「伊良コーラ」を取り扱っていただいているお店)に、「日本を、飲む。」の話をさせていた際、「DEAN & DELUCA」さんオリジナルのジャムに使っている洋梨の生産者さん「三鷹洋梨園さん」をご紹介いただいた、というものだ。
※「DEAN & DELUCA

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柿木村の山茶。コーラ小林の日本を、飲む。

柿木村の山茶。コーラ小林の日本を、飲む。

山茶。

聞いたことがあるだろうか?

山茶とは日本の山野に自生する野生のお茶のこと。

かれこれ10年ほど前であろうか?いつかの機内誌で見た山茶の記事。その時から頭の奥底には山茶に対する興味が存在していた。

そして10年後、私がコーラ作りを始め、そして「日本を飲む。」の企画を始め、その記憶と興味が再び湧き上がってきた。

今年の5月、知り合いの東京・三筋にあるお茶屋さん「norm tea ho

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コーラ小林の「日本を、飲む。」 季節外れの桜

コーラ小林の「日本を、飲む。」 季節外れの桜

サクラケムシを知っているだろうか?正式名称「モンクロシャチホコ」。

桜の葉っぱのみを選択的に摂食することから、その虫のフンは桜の香りがする。
昆虫食会ではサクラケムシのフンをお茶にして桜の香りを楽しむ、というのが定番になりつつあるそうで、今から3年前の2019年に昆虫食の第一人者ANTCICADAの篠原さんに教えていただいた。

ずっとサクラケムシのコーラを作りたいと思っていたが、サクラケムシに

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コーラ職人コーラ小林の「日本を、飲む。」  「山梨塩山の自然落下桃」

コーラ職人コーラ小林の「日本を、飲む。」 「山梨塩山の自然落下桃」

2022年4月、伊良コーラ総本店の目の前の桜並木の桜に新芽が吹いてきた頃、コーラ職人コーラ小林の元に、1通のメールが届いた。

伊良コーラ 御中 突然のメール失礼します。

私は山梨県甲州市でもも、ぶどうの生産農家をやっています。
(元はサラリーマンで独立就農して3年目です)

質問があります
もも、ぶどうを原料にしてコーラのフレーバーは出来ますか、委託製造、御社で原料として
使用できますか。

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「甘橘山の物語」 コーラ職人コーラ小林の「日本を、飲む。」

「甘橘山の物語」 コーラ職人コーラ小林の「日本を、飲む。」

2022年4月28日、コーラ小林は小田原の江之浦測候所にいた。江之浦測候所とは現代美術作家の杉本博司が創った壮大なランドスケープ(庭園、屋外美術館)だ。

コーラ小林はコーラ作りのヒントを得ようと、日々の製造の合間を縫ってやってきたのだ。

江ノ浦測候所を歩き周り、構内の竹林を抜けるとそこには柑橘畑が広がっていた。おそらく年代物だろう古いトロッコもなぜか不思議とまだ現役で使われているかのような佇ま

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