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細部に宿るブランド

家具を見た瞬間に「この家具はIKEAのだよね」と分かるときがある。IKEAのお店で見たことがある家具はもちろん、初めて見る家具であっても。IKEAの商品と分かる理由はなんだろうか。

形と答えたいところだけれど、形は分かりやすいので割愛する。

まずは素材。IKEAが使う木材は無垢板が多い。価格が安い商品はパイン、バーチ(カバ)、ビーチ(ブナ)などが多く、高額な商品はゴムの木、オーク(ナラ)が使われることもある。塗装もアレンジしやすい無塗装、水回りにも使えるアクリルラッカー塗装、色は浸透性のオイルステインで着色されていて、分かりやすい構成になっている。

素材や色が限定されていることで手触りも似ている。家具の軽さや使われるネジの種類や形状もIKEAっぽさを生んでいると思う。

でも、それ以外にIKEAっぽさを感じるところは細部にある。

木材を加工する時の寸法に秘密があるように思う。円柱状の材料1つとっても直径が何センチなのか、イスであれば座面の高さは何センチなのか。IKEAが考える耐荷重や安全、想定する国(文化圏)、使い勝手の思想などが現れてくる。

細部のエッジの角度にも感じる。木材の角が肌に触れるところはを面取りがされているけれど、そのR具合。どれだけ面取りするのかも大きいように思っていて、家具を使用する年齢を想定した安全設計や考え方、IKEAの工場が揃える機材などにもよると思う。

素材、寸法、エッジの角度。この辺りが揃うとIKEAっぽいと感じるような気がする。IKEAのお店で見た家具がすごく気に入ったのに家に持ってくると何か違う。IKEAの家具が家の雰囲気に馴染まない原因はこの辺りにあるように思っていて、家の中にある家具と素材を揃えたりするといいように思う。

IKEAは北欧の会社。日本で展開するニトリや無印良品などに比べて日本のライフスタイルとは離れたところにある。日本に馴染みすぎていない雰囲気が魅力であり、使うのに意外とと難しいところでもあると思っている。

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