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デスク周りがきれいだと、気持ちがいい

 この春、新しい部署に異動した。
 新しい場所、新しい仲間、新しい環境に身を置きながら、まだまだお客さんのようなおももちでどうも落ち着かない日々を送っているところだ。

 駅から少し距離があるので、毎朝毎夕ちょっとしたウォーキング気分で、周りの風景や春の季節を感じながら。

 と、慣れない環境を無理矢理にでもいい風にとらえようとしている。

 新しい職場になり、デスクも新たになった。今のところ、デスクがすっきりきれいな状態を保てている。


 ワイヤレスキーボード、ワイヤレスマウスも購入し、これも机の上の整理にひと役買っているかのよう。

 ま、新たなデスクといっても、実際は何もさらのものがあてがわれたわけではない。年式はかなり古く、これまで使用してきた数々の過去の人たちの歴史を、何十年も耐えながら引き受けてきた立派な代物だ。ある意味、頭が下がる思いだ。
 なので、ぼくにとって新しい机という意味で、やがてぼくの歴史もこの机のどこか隅っこあたりにでも刻み込まれるのかもしれない、などと思いながら。


 それにしても、スッキリとしたデスクの上、そしてデスク周りで、とても気持ちがいい。今のところ、抱えている仕事がまだ少ないからなのだろう。

 ずっとこのまま、きれいなままで使い続けられたなら、いつまでも気分良く仕事が続けられるような気がする。

 でも、ものはだんだんと多くなってくるものだ。いったいどこから来るのかわからないが、気がつけば机の上はもので溢れかえってしまっているのだ。

 机が心の鏡なのだとしたら、ぼくの心がゴチャゴチャしているのだから、仕方がないことなのかもしれない。

 そんなことを思いながら、ちょっと気分転換にと外へ出た。

 春の少し霞がかかったような青空を見上げていたら、どこからともなく、ひとひらのはぐれた桜の花びらが飛んできて、目の前をひらひらと舞い落ちていった。



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