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「詩」古い神殿

水に浸かる 冷たさも熱さもない
ただ清浄な水 肌と心が煌めきだす
青い衣を身に纏い 茶色の帯を締めると
道を示される 綺麗な髪の女の人に

一本の道を歩く 太陽に照らされる
眩しくも 痛さはない光
歩むごとに 翳りゆく光
時空との一体化 夜と共に立ち現われる

輪郭だけ 見える神殿 震えるほど古びている
奥から届く 微かな光
裸足に心地よく 響く石のタイル
四本の燭台 蝋燭に火が灯された部屋に

長方形の大理石 その上に麻の枕が置かれている
そこに寝そべる 一斉に火が消される
四人の人間がいるはずなのに 気配はない
“眠りなさい あなたは白い

犬の夢を見るでしょう“ 目を閉じる
その声の主は 道を示してくれた
あの髪の綺麗な 女の人の気がする
眠りに落ちる 夢の世界が立ち現れる

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