見出し画像

「詩」ジャスミン

目覚めれば 甘い香り
あなたが お茶を注いでいる

時計のない部屋 雨の降る午後の中で
私はどれくらい 眠っていたのだろう

あなたも ジャスミンの香りも
面影だと知りながら 私はあなたを手招く

立ち昇る湯気が あなたの髪に触れる
涙がとめどなく零れ落ち 私はあなたの名を叫ぶ

声にならない声が 私の胸の中に響き渡る
私は深く目を閉ざす まだ止まぬ雨の午後に

私は一人 還っていく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?