見出し画像

森林破壊とその再生について考えてみる#2|それが引き起こされる背景

前回のその壱では、数値からDeforestation(森林破壊)の現状を見てきました。

再度、2022年における森林破壊面積は、6.6Mha(ちなみに、こうした森林破壊のほとんど(96%) が熱帯地域で起こっている)となっており、2030年までにこの数値を実質ゼロにすることが計画されています。
そう、あと6年少しの間に”ゼロ”を達成するわけです。

世界中の森林破壊 in 2010年〜2022年(Forest Declaration Assessment 2023より)

ただ、今回はこの森林破壊がどうして引き起こされているのか、その背景を探ってみたいと思います。次回以降のテーマで森林破壊をゼロにする具体的な施策を紹介したいと思っていますが、今回はそれらを理解する良き手助けになればと思っています。

森林破壊の背景として、world wildlife organization (WWF)のレポートにおいて、主に次の2点が大きな原因と捉えられています。

農業への転換
人口増加とそれに伴う食糧需要により、森林土地の農業転地が行われています。

世界総人口の推移(world population reviewより)

上図の通り現行の世界人口が増え続ければ、農産物生産量を増やすために、今ある農地だけでは生産能力が足りなくなる事情が既にあります。とりわけ、大豆やパーム油などの農産物は、動物飼料から口紅やバイオ燃料に至るまで用途範囲が広いため、これらは特に生産需要が集中します。農地へと転換される土地は、 人のあまり住んでいない森林が対象とされ、やがて農地や牧場へと様相が変わります。
森林が農業などで失われれば、かつてそこに生息していた多くの植物や動物もともに、永久に消滅することになります。

参考までに、コチラ↓は世界最大の二酸化炭素捕集地の 1 つである、アラスカ州(米)の北方林地帯が、温暖化により永久凍土から解凍され、農業土地へと転換ラッシュが行われている実情をスクープした昨年の米ニュースです(CBS,2022年11月17日放映)。

(山)火事
毎年、世界中で数百万エーカーもの森林が火事により壊滅的な被害を受けています。

2001年から2022年の間に, 計3億3300万ヘクタールの森林が失われた。
そのうち火事による損失は計1億2600万ヘクタールにのぼる。
(参考元:global forest watch.orgより)

こうした火事を引き起こす主原因の1つが、温暖化です。

現在、異常熱波が発生する可能性はすでに 150 年前の 5 倍となっており、地球の温暖化が進むにつれてさらに頻繁になると予想されています。 気温の上昇により土地が乾燥し、より大規模かつ頻繁に発生する森林火災に最適な環境が生まれます。 これは森林火災からの排出量の増加につながり、気候変動をさらに悪化させ、「火災と気候のフィードバック ループ」の一環としてさらなる火災を引き起こす原因となります。

The Latest Data Confirms: Forest Fires Are Getting Worse」より一部抜粋

こうした火災による森林破壊が原因となって、次のような長期的な事後影響が明らかになっています。
「被害を受けた森林の構造や構成が変化し、植生や生物環境が一転することで、それらの森林を含む山々からの水循環や土壌の肥沃度が停滞します。」このことは、危機として森林とその周辺に住む人々の生活まで浸透します。


今回は一旦ここまで。
次回は、森林破壊を2030年までに実質ゼロを達成するための、具体的な施策や取り組みを探ってみたいと思います。

最後まで読んでくださりありがとうございます!
よかったら続編もまた覗きに来て下さいね♪

この記事が参加している募集

よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!