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【夏フェス番長、出動】[Alexandros]主催FC限定ライブ"THIS SUMMER FESTIVAL"2020.8.15 【感想】

アーカイブ滑り込みセーフで見たのと、FC限定ライブなのでギリギリで記事公開。

どこよりも小さく、そしておそらく2020年唯一の夏フェスであろう。

夏になれば全国各地のフェスに引っ張りだこのフェス常連バンド[Alexandros]主催の対バン企画「THIS SUMMER FESTIVAL」は2日間行われ、その2日目がファンクラブ限定ライブである。

ちなみにこの企画はSummerだのFestivalなどと言っているが、過去には冬に敢行したこともある季節ガン無視イベントである。

この日は事前に募集したリクエスト形式でのセットリストと、ファン期待のライブ。フロアは前日同様マスク着用、声出し厳禁と感染予防は万全。私は今回も会場に運ぶ方がリスクが大きいため、配信で参加した。

今回もMCに庄村聡泰が登壇。地元の友達のような安心感が物凄い。

公式でセットリストが上がっておりますので宜しければ聴きながらお読みください。

15位:Wanna Get Out

開幕に相応しく、中華風のイントロが印象的な人気曲がランクイン。

独特のメロディ、Aメロの滑らかで複雑なベースライン、Cメロからのラストサビにかけての流れ、緩急の激しさに胸が高鳴る。

14位:spy

リクエスト式なのでセットリストを決めるのはファンである。
時間配分や流れを考えて順番を変えるなど、メンバーが決めることは当然ない。

「ALXD」の発売記念代々木公園フリーライブでも演奏されたどっしりとしたスローバラードが構わず2曲目に来る、そういう結果になってもおかしくないのだ。

さざなみのような優しいアルペジオからはじまり、川上洋平氏の歌声がしっとり伸びやかに響く。

「我が人生には悔いはない」と言える日は最期でなくても、生きているうちに思いたい。そう思う。

13位:Kids

前日も演奏されたベース磯部寛之氏のピック弾きが見どころの「Kids」がランクイン。繊細な単音ビート、跳ねるリズム、シンプルながらも音数が多く、サビの早口コーラスと早口ハイトーンの組み合わせは非常に爽快である。

アウトロでの白井眞輝氏のギターヒーロー感は本物だ。

12位:Untitled

「Kids」同様シャンペで前日演奏。ゆらゆらと木の葉が揺れるように揺れ、思わず曲に身を委ねてしまう。

それもそのはず、[Champagne]が最後に武道館で演奏した曲だからだ。

11位:ムーンソング

普段なら川上氏のギターの関係上と「月の歌」と括られ「月色ホライズン」「Starrrrrrr」と並んで演奏されるため、単体で演奏は今、非常にレアだと思う。

青色の照明にピアノの旋律の美しさは際立ち、いつもより強く聴こえたきめ細やかな白いストラトキャスターの音色は、まるでみなとみらいの夜景のように美しい音だ。

10位:サテライト

ピアノで次曲に繋ぎ、川上氏がアコースティックギターに持ち替えると「君の住む地球儀に僕は居たい」という歌詞が印象的な名バラード「サテライト」へ。

「ムーンソング」からの流れ、思わずアルバム「EXIST!」を提げた「We Come In Peace Tour」を思い出した。

しんみりと一音一音、真摯に心のうちへと訴えかける。

9位:Swan

私の記憶ではおそらくこの曲も「We Come In Peace Tour」以来ではないだろうか。そうなると約4年ぶりの演奏となる。

川上氏がジャズマスターを手に取った途端、ビル風が吹くように無情な疾風が溢れ出し、ライブハウスを一気に儚いグレーに染める。Cメロからの下克上がとてつもなく圧巻だ。

愛を歌うそぶりみせつけながら
ひと思いに、こう、とどめを刺して

もうさようなら

曇り空から陽が差す、寒々とした景色、 身を切るような風、自ら切り出した別れの後の哀愁が広がる。

私的に今回のライブのベストトラックは「Swan」だ。これ以上言うことはない、単にとてもよかった。

8位:This Is Teenage

ファンクラブ限定ライブなどで演奏されてきた絶大な人気を誇るこの曲、最初からクラップが巻き起こる。

ラストのサビで音階が上がれば、思わず高揚感に拳をあげたくなる。

7位:Travel

ZOZOマリンスタジアムでのリクエストでもメドレーで披露した「Travel」がランクイン。

私もこの曲は大好きで、リクエストがあれば毎回投票していた。

この曲を聴いた時、ベースの磯部氏が「バンドをはじめたきっかけは洋平が作った曲を聴いた時、素直にいい曲だと思ったから」と言っていたのと一緒の感覚だと思った。

耳と心が、身体が全身でいい曲だと感じた。

6位:12/26以降の年末ソング

CDJのメインステージでカウントダウンライブを託された時がまさに主役だったこの曲、ピークや季節関係なくこの曲の人気は一生続くみたいだ。

予想外のキー変更での演奏。ポップで愛らしい年末の歌、今年はライブで聞けるだろうか。

5位:Waterdrop

シングルカットされた「Kill Me If You Can」のカップリングであるもはや幻の曲。私も音源を持っていない。

BUMP OF CHICKENの「DANNY」と同じような立ち位置で、音源はあるが流通していない、ファンの間で人気の高い曲だ。

ミディアムテンポのゆるやかさから徐々に特有の勢いを増していく。
生温い夏の雨の下、傘を差さずに街を駆け抜けていくといつの間にか雨が止んでいて、ずぶ濡れの服で顔をあげれば目の前に虹が出ているような、そんな景色が見える。

[Alexandros]の曲で景色が見えるときは、不思議と横浜のオフィス街なのだ。

4位:Kill Me If You Can

前日同様シャンペが披露したキルミー、尖った破壊力は健在。ギターが炎を吹き、ベースが畝り、キレのあるハイトーンボイスが貫く。

イントロの窓ガラスをハンマーで叩き割ったような痛快さは首尾一貫していて、いつ聴いても突き抜けたハイな感情に満たされる。

番外編:Famous Day

早くもTOP3に突入、する前にこの曲を演奏。

サイトでは旧タイトルである「Greatest Night」になっているバグが発生。(直さないのか、直せないのか定かではない。)

この曲はお蔵入り予定だったが、サトヤスが「この曲は絶対に音源化して欲しい」と猛プッシュし、結果「ALXD」に収録、めでたく音源化したと記憶している。

「Famous Day」は直近のライブでは九州ツアーで演奏しており、ツアーが終了した直後にサトヤスの勇退が発表された。

ランク外だったのにも関わらず番外編として100曲以上あると言う[Alexandros]の曲から「Famous Day」を選んだ。

ああ、そういうことだったのか。

「Famous Day」を演奏した背景を読み、正解だと言っていないのに納得した自分がいた。

3位:Adam's Apple Pie

ライブでは初披露、こちらはギターの白井氏作曲。川上洋平が作る[Alexandros]の曲を含めても、ズバ抜けてファンキーなナンバーだ。

各々がライブハウスで爆音を出せる嬉しさを噛み締めてかき鳴らしていたように見えた。

ちなみにバックに出ていたアップルパイのイラストはまーくんの手書きだそうだ。

あー、見えるよ見える、スタンディングのライブだったら、ダイバーが出てた景色が。

2位:Wet Peint

1stアルバム収録の初期曲。ドコドコと叩くフロアタムが印象的な丸い曲。ついつい聴き入ってしまう。

1位:Plus Altra

堂々のNo.1は「Plus Altra」。

音楽のルーツを詰め込んだ王道さと川上氏の作るメロディがストレートに染みる楽曲。

Nobody cares
誰も気にかける者などいない

Nobody cares but we’re right here
誰も気にかける者などいないしかし僕らはここに在る

この歌詞は全て川上氏の思い、感情だと思う。要約すれば「世間がなんと言おうと俺らが存在することは事実だ」と言っている。

路上ライブ出身、激動のサラリーマン時代、メンバーとの共同生活、デビューは遅く、やっとバンドとして成功を手に入れたと思えばバンド名の改名を要求され、デビュー10周年にドラマーは病気で勇退、決して順風満帆でなかった彼らがここまで辿り着いたのは、一切怠らなかった努力の結果なのだ。

日本のロックシーンの先陣を切り、いつも気がつけば前を走っていて、広い世界へ羽ばたいて行った彼ら。

実力だけでなく運やタイミングが必要となる人生、「努力は裏切らない」と思い、先駆者を探せば、誰もが[Alexandros]の背中を見ると思う。

アンコール:月色ホライズン(Bed Room ver)

まさかのリクエスト最下位を演奏。the telephonesの武道館で「たった1票だけ入った曲をやります」と1票だけ入った曲を演奏したときのことを思い出した。しかも武道館で。

しょっちゅうライブでやってるからリクエストしなかったのでは...?

アンコール:Kick&Spin

「この曲をやるためにライブをやっている」と以前川上氏が発言していたほどのマスト曲。

百戦錬磨の楽曲、完成度は桁違いで、4人が作るステージでライブが完成されていたほどに熱気が渦巻き、今日のライブのピークを作っていた。

「もっと声出せ〜!」と言った瞬間(あ、声出せないんだった)と川上氏の心の声が聞こえた。

感想

ワンマンライブなら軽く挨拶を挟んでも5曲ぶっ通し、なんなら10曲ドカンとやってしまうなんてザラな彼らが、大体3曲区切りでMCを挟んでいた。どうやら規定で換気をしなくてはならないみたいだ。今のライブハウスは、バンドの勢いすら奪ってしまうんだ。

リクエスト曲を見て思ったことは、メンバーの好きな曲とファンの好きな曲がまるっきり違うこと。

「spy」「Untitled」「サテライト」「Travel」と洗練されたメロディが浮き出る楽曲が多かった。前日のシャンペとの対バンと比較して彼らの演奏してた曲と被っている曲もところももちろんあるが、作り手と聴き手の求めているものが違うと言うのは面白いデータだ。

今回リクエストにランクインした曲で個人的に好きな曲は「Swan」「Adam's Apple Pie」「Travel」が特に好きだ。個人的には「Swan」が優勝。


次回ディスフェスが開催されるときは、あの頃と同じ環境で、絶対にチケットを当てて、参戦したい。


最後に私がリクエストしたけどかすりもしなかった曲を声を大にして置いていきます。

「Revolution,My Friend」。


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