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【ライブレポート】[Alexandros]「ALEATORIC ARENA 4 DAYS」日本武道館day1 2021.10.26

個人的に武道館での現地ライブはAimerぶりでおおそよ4年ぶりだが、[Alexandros]の武道館は「V.I.P Party 2015」以来約6年ぶりである。だがこれは現地ライブに於いての話でありコロナ禍での配信ライブをいくつか見ていたため武道館への久々感は無い。

今回のライブの開催条件は従来と変わらず。座席指定の50%が最大キャパ、入場時の検温とアルコー ル消毒とマスクの着用は必須、ライブは声出し禁止で拍手はOK。

今回座席は2階席西側の左側。スピーカーで所々の演出などが見えない部分もあったが書けるところは書こうと思う。

ライブレポート

バックスクリーンのガラスを叩き破るような演出で暗闇の中メンバーが登場。遡ること6月のライブハウスツアーからのオリジナルインスト曲を生音セッション。

次第にスクリーン一杯の大きな満月が浮かび上がり、1曲目は情緒的で美麗な「ムーンソング」からスタート。

「ムーンソング」が演奏されるなり[Alexandros]の持つマイルドさとルードさがこの1曲で強い化学反応を起こし、肌を撫でるように洋平さんの声がベールになって全身に包まれ、そのベールに包まれたままパチパチと弾ける刺激の強い炭酸のプールに溺れるように、ロックバンドのライブなのに一瞬にしてこの曲が演奏されている時は不思議と明鏡止水の空間になったような気がした。

すかさず「RunAway」「FISH TACOS PARTY」と美麗なメロディと軽やかなポップを、これらが伏線であるかのように直後は「Beast」「Stimulator」「Kill Me If You Can」とロックバンドらしい反骨精神とスターダッシュの威力が持続するような瞬発力の高い曲を続け、はっきりとしたコントラストを付ける。

ここからはチルアウトタイム、「Thunder」はライブハウスツアー同様BedRoom Juleバージョンでの演奏、「Swan」はライブオリジナルアレンジ、プールの中にいるような無重力と浮遊感を感じさせる演出で、心地よく水に溺れるような錯覚に陥る。

アコースティックギターに持ち変えて「city」「spy」「温度差」「空と青」のイントロのアルペジオを弾いたり、センタクプロジェクトでのCMソングを1番だけ歌い、オーディエンスを弄んだ後は「Travel」をアコースティックでフル尺演奏。

洋平「みんなの手拍子が聞きたいからイヤモニ外そ...(1Bメロまで演奏)あ、やっぱりこの曲いらないや!(笑)俺本当は手拍子とか嫌いなんだよね(笑)」

ヒロ「正直に言ったね」

洋平「じゃあ、1Bからやり直そう」
洋平「改めまして[Alexandros]です、武道館は改名した時とV.I.P Partyの過去2回やってて今回が3回目です。[Alexandros]になって初めてライブやった場所でもあるので我々としても思い入れがある会場です。ビートルズがここでライブやってからロックの聖地となっております。暑くてもうジャケット脱いじゃった。俺たちTシャツだけど、まーくんだけスノボ帰りみたいじゃない?SS(Tシャツのヒロ)、SS(Tシャツになった洋平)、AW(もこもこのパーカーを着てるまーくん)。暑くないの?」

まーくん「途中暑かったけど、静かな曲でクールダウンしたから今はそうでも...」
洋平「雨バンドと言われてきたけど今日は快晴。雨バンド返上です!ZOZOマリンの時も前日まで雨マークだったけど当日取れたんだよね。あ、途中で降ったのは...」

ヒロ「あれは降っては無いんだ」

洋平「あの雨は演出ってことで。Youtubeでも見れますからね。」
洋平「改めてメンバー紹介を、昨日誕生日を迎えたドラムのリアドです。」

リアド「誕生日のメッセージもたくさんありがとうございます。改名の時に客席で見てたけど、仲間として同じステージに立てて嬉しいです」

洋平「ロゼはどう?」

ロゼ「改名した時のライブにいたけどバンド名が聞こえなくて、モニターのロゴだけ見てました...」

ヒロ「ロゼが喋るとマイナスイオンが出てほわってするよね」

洋平「俺はほわってさせたくない!ではまーくんが歌います」

まーくん「武道館とは縁もゆかりもない曲ですが歌います」

白井がBlankey Jet City の「赤いタンバリン」を1番のみカバーし、その疾走感のまま「You Drive Me Crazy Girl but I Don’t Like You」へ。「可愛い子たちに捧げます!」と「Dracula La」を連続で披露。

「月色ホライズン」の間奏ではメンバー紹介。
リアドには「一番新しい仲間で新人だけど一番いいやつ」、ヒロさんには「大学の時からの腐れ縁で20年来の付き合いです」ヒロ「今でも楽しいよ」洋平「ありがとう」と仲の良さが伺え得るやりとりを、まーくんは「高校からの大親友」のあとはロゼ、最後に洋平さんが自分を紹介(メンバーは順のソロを弾いたにも関わらずボーカルは仁王立ちで突っ立ってるだけ)。

演奏する前に洋平さんは「今はまだ声を出せないけど、もうそういうことが出来る未来は近いと思ってます」と前置きし伸びやかに「Philosophy」を演奏。

この日のライブはロックバンドのライブである以上に音楽、照明、映像、全てのアートが融合した完全なるエンターテインメントだった。

特に[Alexandros]のライブは音楽に命を吹き込まれた”動”の芸術で、彼らの音楽の生命の強さは日本古来の武道という歴史と由緒ある場所としても、ミュージシャンが憧れるライブ会場の聖地としても、武道館という歴史ある会場でのライブという相乗効果もあってか、私は普段彼らに力をもらっているはずなのに、久しぶりの彼らのライブは逆にエネルギーが奪われるかのようで、強烈な[Alexandros]の生命力を全身で感じた。

ここからはライブハウスツアー同様「This is Teegnage」「Starrrrrrr」「風になって」をフェス常連の玄人ならでは無駄のないクールな繋ぎで披露。

「閃光」はMVの公開からわずか5ヶ月で1000万回再生を突破。主題歌を担当した「閃光のハサウェイ」も早くもサブスク解禁でAmazon Primeなどでは既にTOP10入りを果たすなど映画の勢いに比例して破竹の勢いで伸び続ける新代表曲は、普段この5人以外をステージに呼ばないドロスにしては珍しくゲストギタリストを迎え、洋平さんがギターパートを託して演奏。

「暴れる準備は出来ますか!」と白熱の「Kick&Spin」を演奏し、本編ラストは「PARTY IS OVER」で終了。

アンコールは「あまりにも素敵な夜だから」ではミラーボールが周り、正統な武道館を星空のような幻想的な夜へと導く。

洋平「コロナになってからも喉のお医者さんに通っているんだけど、僕らだけじゃなくてみんな声が1トーン低くなっているんだって。だからなるべく喋ろうと思います。明日が最後だけど、今日が最後みたいな気持ちです、ありがとうございました」

そう話してから代表曲「ワタリドリ」を演奏し、ラストはまーくんのキレキレのタッピングが光る新曲を披露し1日目のライブは終了。

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今年の夏はオリンピックの柔道と空手の会場として多くのメダリストを輩出した誇り高き日本武道館。

高々と掲げられた日の丸の国旗とステージにいるメンバーが同じ視界には入っている事実を認識した時、沢山のミュージシャンがここ武道館に立ったとしても本当にその日の丸が似合うアーティストはほんの一握りなのだろうと思った。そして彼らはその”日の丸が似合うアーティスト”の1ミュージシャンであることはこの目で見た紛れもない事実だと思う。

明日がツアーファイナル。コロナ禍で音楽シーンが真っ暗になったなかでも少しずつ暗闇を引き裂き光を見せてくれた[Alexandros]は、どのように有終の美を飾るのだろうか楽しみで仕方がない。

↓武道館2日目ファイナルのライブレポートはこちら

セットリスト

ツアーオリジナルインスト
1.ムーンソング
2.Run Away
3.FISH TACOS PARTY
4.Beast
5.Stimulator
6.Kill Me If You Can
7.Thunder(Bedroom Jule ver)
8.Swan
9.Travel
10.赤いタンバリン (白井カバー)
11.You Drive Me Crazy Girl but I Don’t Like You
12.Dracula La
13.月色ホライズン
14.Philosophy
15.This is teenage
16.starrrrrrr
17.風になって
18.閃光(ゲストギタリスト有)
19.Kick&Spin
20.PARTY IS OVER

en.あまりにも素敵な夜だから
en.ワタリドリ
en.新曲




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