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【読書】告白  湊かなえ

実家の本棚に文庫本があったので遂に湊かなえデビュー!

あらすじ

我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。

告白

感想

初めて湊かなえ作の作品に触れました。
第一章は娘を亡くした女性教師の語る場面から始まります。
改行もなく淡々と語られる様子に一気にストーリーにのめり込んでいきました。

教師から告げられる衝撃の事実の連続。そして実行犯の生徒への言及。個人的制裁の始まり。

起こった出来事自体はシンプルですが、そこに至るまでの些細な出来事と登場人物の感情によって複雑に仕上がっていくストーリーが圧巻です。

愛情・承認欲求・自己顕示欲・陶酔、挙げてしまえばありきたりな言葉で説明できてしまいますが、実際自分に対して「それは承認欲求だろ!」と突き付けられてみると認めたくないものですよね。

自分の正しいと思うことが必ずしも人を助けることにはならないし、愛情と称して他人(この作品では息子)に自分の理想や価値観を押しつけることはあまり良い結果を期待できないのだと改めて考えさせられます。

更には、個人の理想や信念を過信しすぎるあまり第三者からは到底正義とは思えない行動を起こしてしまうことが人間の真の姿であると思わされます。作中でも「魔女裁判」と例えられていましたが、現代においては異常に発達したSNSなどのメディアが挙げられるでしょう。

改めて人間の恐ろしさを疑似体験し、自分の感情や発言も反省するべきだと思わされる作品でした。

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