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アンダーデベロップメントのコーヒーに硫酸マグネシウムを入れると美味しくなるかもしれない件

(過去ブログの記事を移植しています。本文内では”ちょっとマニアック”とか言ってるけど今の自分の配信内容と比べたら変態的なオタク具合です。よくこんな記事書いたな、とびっくりしてますw)

今日はちょっと科学の話、タイトルにある通りコーヒーとマグネシウムの話題です。

けっこうマニアックな話なのでポイントを簡単にまとめると

・アンダーデベロップのコーヒーは香りや酸味を適切に引き出せていない
・マグネシウムが多い水でコーヒーを淹れると香りと酸味を強く出せるよ!
・カルシウムを添加するとコーヒーのボディ感が強くなるよ!

ということみたいです。

*タイトルで語弊があるかもしれませんが抽出後のコーヒーではなく、抽出に使う水にマグネシウムを添加します。

コーヒーにマグネシウムを入れるとおいしい?

ツイートをしている方は畠山大輝さんという方で

ジャパン ブリュワーズ カップ(JBrC)2019 (コーヒーの抽出技術を競う競技)

ジャパン ハンドドリップ チャンピオンシップ(JHC)2019 (ハンドドリップによる抽出技術と味を競う)

なんと2冠チャンピオンです。しかも本業は焙煎士という珍しい方、天才ですかね。

本題ですが、アンダーデベロップメントのコーヒー豆に硫酸マグネシウムを入れるとおいしくなる(マシになる)なるみたいです。

はい、意味わからないですよね笑

かなりマニアックな話なのでここからわかりやすく説明していきます。

アンダーデベロップとは?

ステーキのレアやローストビーフは肉の赤みが残りますが火はちゃんと通っていて美味しいですよね。素人がレアで焼こうとすると生焼けになってしまったりして食べられたもんじゃありません。

コーヒー屋さんの共通言語で「この豆はちょいアンダーっぽいねぇ」みたいな感じの話をしたりします。

コーヒーの焙煎でも中までしっかり火が通っていなかったり、本来引き出せる味がうまく引き出せていないことがあり、これをアンダーデベロップと呼びます。

具体的には芝生のような青臭さ、適切でない酸味、えぐみを感じるなどがあります。ちなみに、逆に焼き過ぎてしまったコーヒーのことをオーバーデベロップと言います。

水に硫酸マグネシウムを入れるとどうなるのか

科学的な話をしだすと非常に複雑なので、かいつまんで説明しますね。

詳しく知りたい方は少し前に発表されたバリスタハッスルの”ウォーターコース”でもこのマグネシウムの重要性が考慮されていますので、この有料コースを受講するのもいいかもしれませんね。

さて、水にはたくさんのミネラル分が含まれています。

よく軟水とか硬水とか聞くと思いますが、これは水の中にどれくらいミネラルが含まれているかに起因します。その中でも硫酸塩(硫酸カルシウムと硫酸マグネシウム)や塩化物(塩化カルシウムと塩化マグネシウム)は永久高度と言われます。

永久硬度は煮沸しても取り除くことができないため、飲み物や料理の味に大きな影響を及ぼします。特にコーヒーの主な成分の一つであるクロロゲン酸に影響を及ぼすと言われてています。

前述のJBrCでも多くの選手がマグネシウムやマグネシウムの量を調整した
カスタムウォーターをDIYして競技に臨んでいます。それだけ味に影響があるということですね。

マグネシウムは抽出力が強く、コーヒーの香り成分をたくさん出すことができるみたいです。マグネシウムが多い水を使ってコーヒーを抽出するとフレーバーやフルーツ系の酸味を強く感じられるコーヒーが出せるというわけです。

一方カルシウムはクリーミーさや重厚さを出してくれるようです。

どちらも抽出を助ける要素ですので出来上がったコーヒーに入れても意味ないので注意してくださいね!

高級豆なのにアンダーデベロップ?

今回の畠山さんの呟きにはもう一つポイントがあります。それは、100g5000円もする高級豆なのにアンダーデベロップということです。

畠山さんが実際に購入された豆が何かはわからないのですが、日本のロースターでそこまで高い豆を扱っていることはあまりありません。

ただし、海外のロースターまで目を向けてみるとかなり選択肢は広がります。とゆうか送料も淹れると5000円って結構簡単にいっちゃいます。

せっかく高いお金と手間をかけて海外の有名店から豆を取り寄せたのにアンダーだった…なんてことになったらショックですよね。でもこれけっこうあるみたいなんです。

というのも、日本の水は軟水ですが、海外は硬水の地域が多いです。
軟水と硬水ではミネラルの含有量が大きく異なります。

海外のロースターは当然その土地の水にあった焙煎をします。

そのため、極端にいうと隣の市の水で同じコーヒーを淹れても同じ味にはなりません。日本の場合は軟水ですので、ミネラル含有量の差はなおさら大きくなります。

その結果、マグネシウム含有量が足らないため香りがうまく抽出できない、
イコール、アンダーデベロップに感じるという現象が起こります。

つまり、豆のクオリティが悪いわけではなく、アンダーなわけでもなく、
抽出の条件が豆にあっていないだけかもしれないということです。

自分には関係ないってこともないかもしれない

ここまで読んでいただいて、

「ちょっとマニアックすぎる、自分には関係ない」

という方も多いかもしませんが、意外とそんなことなかったりします。

例えば、友達から海外旅行のおみやげでコーヒーもらったけど味がいまいち…なんてことがあれば、友達のセンスを疑う前に使用している水を疑ってみましょう!

国内でも、関東と関西では水の硬度が違います。その違いはダシの味や文化を変えるレベルなので侮れません。関東と関西だと、関東の方が硬度が高いです。僕は関西在住ですが、東京の超有名店の豆を家で飲んだ時アンダーに感ました。

結論、”材料として水は大事”って話です。

コーヒーの98%は水ですから、当然といえば当然ですね。

硫酸マグネシウムや硫酸カルシウムはAmazonで簡単に購入できます。
その際絶対に食品グレード(食品として添加しても安全なもの)を選ぶようにしましょう!水をDIYするのはちょっと怖い、めんどくさいという人は
高度の高いミネラルウォーターを使ってみるというのもアリかもしれませんね。

色々なやり方を試してみるのもコーヒーの醍醐味です。”水”という材料にもこだわっていきましょう!

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