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甘えん坊

「甘えん坊」というと
どんなイメージを持たれるでしょう。

幼い子どもが愛らしく駄々をこねる光景。
それが私のイメージする甘えん坊です。

この甘えん坊って
周りの大人たちに愛されているからこそ
甘えん坊でいられるのではないでしょうか。

つまり、甘えん坊がいるってことは
周囲の大人たちが優しくて愛情あふれる人たち。
それを表しているとも言えそうです。

ですが、過ぎたるはなんとやら。


「新作料理作ってみたの。味、どうかな?」

「ん、ふつう」

どこにでもある夫婦の会話の一部です。
ですが、この会話
コミュニケーションの核とも言えるべきものが
ごっそり抜けている会話のような気がします。
いったいなぜでしょうか。

たとえば、これが夫婦の会話ではなく
友人同士の会話だったらどうでしょう。

「新作料理作ってみたの。味、どうかな?」

「えっ、新作?これまたすごい美味しそう!
ああいい匂い。もう食べるね、うわウマい!」

こんなやりとりになるのではないでしょうか。
いわゆる「良識のある大人」なら
自分のために作ってくれた行為に対して
敬意を払い、感謝を述べ、労をねぎらうもの。

でも、夫婦の会話でここまでのリアクションを
するケースは全体的に見て少ない傾向です。

友人同士だと当たり前のことなのに
夫婦同士だと当たり前ではなくなる。
これはいったいなぜなのでしょうか?

結論から言ってしまうと甘えているからです。
家族であるという「つながり」に甘えている。

このくらいの受け答えで充分。問題ないよね。
幼少期の「甘えん坊」時代に、自分の両親や
兄・姉にしてきたようにしているだけ、だと。

・・・

結婚して夫婦になるということは
もちろん家族になるということです。

とはいえ、二人は元を辿れば他人同士。
結婚した途端に「もう家族だから」と
失礼な言動をしていいものでしょうか?

夫婦は家族です。
でも、そのつながりに甘えすぎることなく
お互い対等な大人として接することが礼儀。
親しき仲にもなんとやら、です。

言うまでもないことですけど
夫婦に上下関係なんてありませんからね。

・・・

「いやいや、そんなのかたっくるしいよ!
家族っていうのはこう、フランクにやろう!」

このように主張される方もいると思います。
もちろんお互いにリスペクトし合える関係なら
フランクだろうがルーズだろうが問題ないです。

家族だから何をしてもいいってことはない。
それが分かっていれば全然問題ありません。

感謝のカケラもない会話を繰り返した夫婦と
感謝の気持ちを伝え続けた夫婦とでは
まるで違う「家族」になってしまう。

甘えん坊は
「成る」ものではなく
「卒業」するもの。
私はそう思います。


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