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置き換えが有効かもしれない繊細さん

「これ、みんなやってるよ」

私はこの“みんな”を多用する人が苦手です。
誰なのですか、みんなって。

学生時代、尖りまくっていた私は
話し相手がこの“みんな”を使おうものなら

「みんな?具体的に名前言って。はい誰?」

とグイグイ詰め寄っていました。
性格がちょっとアレで余裕がなさすぎました。

さておき“みんな”を多用する人に限って
具体的に名前を言わない人が多い印象です。

詰め寄る度、そういう人とは疎遠になりましたが
結果的に周りには(私にとって)良い人ばかりが
残ったような気がします。

おそらくですけど“みんな”を多用して話す人は
(「みんなやってる」って言えば同意するだろ)
みたいな思いが胸の内にあるのかなと感じます。

私たちは同調圧力に弱い傾向があるし
それに、大抵の人は“みんな”と聞くと
どうやら連想してしまうようなんです。

(あの人も?もしかしてこの人も?)と。

そこまで分かればなるほど、なるほど。
有効な手かもしれません。
他者を手っ取り早く説得するには良い手かも。

でも、私のように全く連想できない人もいます。

(この人、言いくるめようとしてるな。嫌な人)

私はこんなふうにヒネて捉えてしまうので
全ての人に使える便利な言葉なんかありません。

・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・

言いたいことあるならハッキリ言って!

私のように他人の気持ちを推し量ることが
とっても苦手で向いてないタイプの人がいます。

少し回りくどい言い方をされようものなら

「それって・・・〇〇ってコト?」

ちいかわ構文で訊き返さないと落ち着きません。
自分が理解できる言葉にしないと安心できない。
「あれ」とか「それ」を多用されてしまうと
会話が楽しめないどころか不快になるんです。

私のような鈍感さんをパートナーにしている
繊細さんは、おどろくことがあるみたいです。

なんで私のことを分かってくれないの?

・隣室のテレビ、なんでつけっぱなしなの?
・わたしがクタクタなの、見てわからない?
・私の料理無言で食べないで。マズかった?

繊細さんが普段気にしていることについて
パートナーがあまりにも無関心すぎるので
えいやっ!と勇気を出して聞いてみたら…

「ねえ、テレビの音、すごくうるさいんだ」
「全然うるさくないよ。マジで言ってる?」

「今日、私、ものすごく疲れちゃってるの」
「ええ?ずっと家にいたのに?ウソでしょ」

「この料理どうかな?初めて作ってみたの」
「んー?普通かなー。あ、珈琲ちょうだい」

こんな風に返されてしまって、がっかり。
この人、私にまったく興味がないのかな…
と失望してしまうことがあるみたいです。

私も鈍感側なので心苦しいのですが…
すこしだけ弁解させて頂くとすれば

これは私が全然気が利かないとか
わざと嫌味な対応をしているとかではなく

繊細さんの感覚を分かることができない
これが大きな要因です。
絶対音感のない人が
絶対音感のある人に対して
「ごめん、さっぱりわからない」と
思いを抱くようなもので、分からない。

更に、私たちは
どんなに順序立てて説明しても
感情を強く出して訴えたとしても
相手に気持ちが届かないことはザラにあります。

私たちが日常的に行う意思の疎通というのは
マンガのようにテレパシー的にはいかなくて
むしろ伝わらないことのほうが多いのです。

じゃあ、自分の気持ちなんてどうせ相手には
伝わりっこないから話し合いなんてやらない!
それぞれ自分勝手に振舞っていればいいのか?
といったらもちろんそんなことはありません。

自分の感覚を分かってもらうんじゃなくて
(相手の感覚だと、こんな感じかなぁ)と
置き換えて“たとえ話”を用いる方法が有効です。

「ねえ、テレビの音、すごくうるさいんだ」
→「あなたの会社の通勤路に工事現場あるよね。
そこのダンプカーがずっと走っているように
聞こえるくらい、私はうるさく感じるの」

「今日、私、ものすごく疲れちゃってるの」
→「あなた、残業一週間続いたことあったよね。
私は今、その倍くらい疲れてしんどいの…」

このように自分の状態を知ってもらうには
相手の場合に置き換えてみることでグンと
伝わりやすくなります。

もしかしたら、置き換えて伝えることで
繊細さんとそうでない人との心の距離が
近づくこともあるのではないでしょうか。

最後に。
努力や工夫を毎回するのは繊細さんだけ
というのはおかしな話だよねと思います。

とくに
パートナー間でのコミュニケーションは
パートナーそれぞれの、重要な課題です。

繊細さん側ではない方が
繊細さんの感覚が理解できないと言っても
それを免罪符にしないで
歩み寄る姿勢があってしかるべきと思います。


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