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ひるのカレーとよるのカレー

お昼はカレーをつくる!

ぼくは意気揚々と宣言した。
キッチンのブラインドを上げると青空が見える。
青空はいい。気分がノッてくる。
こんなに気持ちのいい日はカレーしかない。

さて、カレーはぼくの大好物かつ
ぼくが作れる数少ないおいしい料理のひとつ。
たまには料理のお返しをしとかないとね。

「ふうん、じゃあよろしくね」

そう言って嫁ちゃんはキッチンの椅子に座り
スイスイとスマホタイムに突入する。
エプロンを着けているのがかわいらしい。
負けじとぼくもエプロンを着用する。

豚肉を切ってジュウジュウ
にんじん、じゃがいもを切ってジュワジュワ
たまねぎをトントン切ってドサッと
うーむ、我ながら手慣れたものだ(自画自賛)。

カレーはいい。
手順が簡単なので失敗しない。
少しくらい手順を間違えても大抵おいしい。
なにより“料理してる感”が出るのが最高だ。

ジャワカレー(辛口)のルウを割り入れて
コトコト煮込んで一息。ふう、仕事したな。

げっ!?

キッチンの一角を見ると
いつのまにかサラダが完成している!?
こ、この女(嫁ちゃん)いつの間にッ!
尊敬と畏怖が混じった目でめつけた。

「ああ、カレーできた?ありがとね」

なんでもないことのように微笑みをくれる。
如才じょさいがないとはこういうことか。

カレーは美味しい。
嫁ちゃんの空気感はたのしい。
たまに、嫁ちゃんのことが
キッチンに住んでるデカい猫に見える。
しっぽがモフモフのやつ。

・・・

夜はカレーうどんが食べたい!

ぼくは意気揚々と宣言した。
作りすぎたカレーを明日まで持ち越してもいいが
そういえばうどんあったじゃーん!とひらめいて
食べたい思いがつい、口からこぼれ出たのだった。

「えっ、なに、また夫くんが作ってくれるの?」

ふっふっふ、何を言ってるんだ嫁ちゃん。
ぼくがカレーうどんを作った日には
カレーの鍋に直接うどんを入れて完成だよ。
そんなドロドロモサモサのうどん、食べたいの?

「要するにわたしが作ればいいのね」

ここだけの話
嫁ちゃんの作るカレーうどんは絶品だ。
個人的に外食で食べるものより数段美味い。
ああ、嫁ちゃんが料理人じゃなくて良かった。
ゆるふわ天才料理人として取材が殺到しちゃう。
才能がありすぎるのも困りものだよね。

そんなこんなで出来上がったカレーうどん。
タイトルの画像のものがそれだ。
やたらと具が入っているのはぼくのリクエスト。
本来は具がない。ネギを仕上げに乗せるだけだ。

ぐうぅっ!?

「どうしたんだ夫くん」

美味すぎて叫んでしまった、すまない。

「わたしと二人の時は叫んでもいいけど
外ではだめだよ。恥ずかしい」

大丈夫。店員さんが見てないときに叫ぶから。

「叫ぶなっつーの」

カレーはいい。
食卓に会話と笑顔をたくさんくれる。
少しアレンジすれば違う料理にもなるし
これからもお世話になりそう。カレーさん。


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