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夫婦の家事分担

「かぼちゃの煮っころがし、食べたいなぁ」

何を隠そう、ぼくはかぼちゃが大好きだ。
かぼちゃのスープ、かぼちゃのグラタン
かぼちゃのスイーツ、なんでも美味しい。

でも、かぼちゃ料理で何が一番好き?と
聞かれるのであれば、迷わずこう答える。
嫁ちゃんが作ったかぼちゃの煮物が至高!

こんなことを言ってるけど…
もともとぼくは、かぼちゃの煮物が嫌い。
だってどこで食べても美味しくなかった。

でも、嫁ちゃんが作ったものはちがった。
家庭的だけど店のより美味しいというか
上手く言えないが本能が欲するというか
まあ、とにかく、大好きな味だってこと。

なのでぼくは「かぼちゃ欲」が高まると
嫁ちゃんにかぼちゃの煮物をリクエスト。
食べたい、食べたい、と連呼してしまう。

いや、少しは分かっているつもり。
かぼちゃ料理は手間がかかることぐらい。
あの絶望的に硬くてブ厚いかぼちゃの皮。
それを突破しようやく調理できるという
面倒くささがかぼちゃ料理にあることは。

嫁ちゃんは、こともなげに作ってくれる。
自分では決して食べないかぼちゃ料理を。

「なんで嫁ちゃんはかぼちゃ嫌いなの?」

「わたし、こういう甘いの苦手なんだよ」

じつは嫁ちゃん、かぼちゃが苦手なのだ。
いくら“しょっぱく”調理をしたところで
かぼちゃ自体が苦手なので無理とのこと。

「なんで苦手なのに、作ってくれるの?」

「そりゃ夫くんが美味しいっていうから」

「嫁ちゃんかぼちゃ料理の味見してる?」

「いや、してないよ。カンでやってるよ」

自分では食べない、さらには味見もしない。
にもかかわらずとんでもなく美味しいとは
やはり天才なのだろうか…この嫁ちゃんは。
とりあえず崇め奉っておこう。ありがたや。

・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・

「夫婦の家事分担、うまくできていますか?」
こんなことを聞かれたときに

「うん、ウチはとってもいい感じだよ!」
と夫婦揃って自信満々に答えられるでしょうか。
夫婦で心からそんな風に答えられるのであれば
相当に仲良しな夫婦なんだろうなって思います。

というのも、やっぱり家事分担ってモメがち。
モメるというか、どちらか片方に不満が出がち。

(お互い仕事してるのに、なんで私ばっかり!)

こんな感じに悶々と溜まっていないでしょうか。
あ、ウチは溜まっていました。
そりゃあもう、ドロドロに。

あのままドロドロしてたら、どこかで詰まって
動かなくなって、夫婦機能が止まっていたかも。
おお、くわばらくわばら。

ええっと、溜まっていたのは嫁ちゃんで
それに全く気付いていなかったのはぼく。

いやあ、ダメなんですよ。ぼくもですけど
世の夫って言われないと本当に分からない

ある日なんだか
嫁ちゃんが機嫌悪そうなんですね。
なーんかプリプリしてる。はて?どうした。
聞いてみてびっくりですよ。

「私が忙しいの、見てわからない?」

ええッ!?忙しかったの?

「少しは気を利かせて手伝ってよね!」

ええッ!?何を手伝えばいいの?

そこで嫁ちゃん、でっっっかいため息ですよ。
(なんでこの男なにも分からないんだ)って
声には出さないけど顔に書いてありましたね。

それでも嫁ちゃん、グッと何かをこらえて
こう言ってくれたんですよ。

「あのねえ夫くん、わたし、洗い物が苦手なの」

お、おう。

「だから夫くんが洗い物やってくれると助かる」

そうだったのか!任せろッ!

ああ、これだって思いましたね。
ウチの嫁ちゃん本気まじでこれ望んでいたんだって。

だってぼくが洗い物を専門でするようになって
めちゃめちゃ喜んでいるのが分かりましたもん。

ぼくだって、もともと洗い物嫌いじゃかったし
洗い物することで喜ぶ人がいるって分かったら
もっともっと積極的にやるようになったし、ね。

さあて、今日も洗い物をしながら
嫁ちゃんとキッチンでの会話を楽しもう。

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