映画観てみた【一作目】
1.はじめに
先日、年始の目標で決めたとおり、月に一度の映画鑑賞をしてみた。
はっきり言って、これは自分にとってご褒美に他ならない。他の目標からすると、取り組みのハードルが低い上に、楽しめる。
記念すべき一作目は、中国映画をチョイス。住んでるところは田舎なので、近くにメジャーな映画館なんてないし、メジャー作品は観れない。
しかし、それでいい。メジャー作品には興味がない。
昔ながらの映画館で玄人向けの映画をひっそりと観るのが醍醐味なのだ。
今回は、昔ながらの街の映画館で入り口のポスターで気になった「シスター」という映画を観た。
席はガラガラ、来場者数は50数席のうちせいぜい5人くらいだろうか。。。
それでいい、それでいい、と自分に言い聞かせながら映画館の雰囲気を感じつつ映画を嗜んだ。
感想をば。(極力ネタバレは控えます)
2.あらすじ
簡単なあらすじだが、公式サイトから引用すると、
とまぁ、こんなものだ。
実際の映画では、アン•ランがなぜ両親と疎遠だったのか?、なぜ6歳の弟の存在を知らなかったのか?が中国のある政策を糸口として見えてくることになる。
ある意味、政策の弊害のようなところを突いてるような映画であるので、習近平政権でこんなの大丈夫なんだろうか?とか思ったが、昔の政権の政策だから、特にお咎めなしなのだろう。
その他、映画では、日本との文化の違いも見られて面白い。なんと、葬式で麻雀を打ってるのだ。一部の地域では、そのような風習があるらしい。そして牌がデカい。
写真のポスターで泣いているのが主人公のアン•ランなのだが、涙の意味も観れば分かるだろう。
泣ける映画は、「ハンカチのご用意を」とよく言う。またまたと以前まで相手にしてなかったのだが、この映画ばかりはハンカチを忘れた自分を呪った。涙腺壊れる。
結果、マスクがびしょ濡れになった。まぁ、泣けるポイントが3箇所もあるのだ。
次の感想で、極力ネタバレを防ぎつつ、個人的に泣いたポイントを紹介しよう。
3.感想
①伯母の理解
伯母のアン•ロンロンが、主人公のアン•ランにスイカを振る舞うシーンがある。
普通なら一見、姪っ子にスイカをあげるくらい、なんてことないシーンなのだが、泣けるのだ。
いきなり、事故で両親がいなくなった上に見知らぬ6歳の弟を親戚に押し付けられ、自身の夢である北京の大学院への進学も絶たれようかとしてる状況。
そんな最中、弟を里親に出してでも自分の夢を追いかけようとする主人公のアン•ランに対して弟の面倒を見るよう最後まで反対していたのが、伯母のアン•ロンロンだった。
誰も理解者がいないと思ってた矢先、ふと伯母宅でスイカを振る舞われる。そして、そこにあった不完全なマトリョーシカから、意外な2人の共通点が判明することになる。
「マトリョーシカの人形のように毎回、同じ型にあてはめる必要はない」と伯母は言うのだった。
②弟のとある行動
弟の里親探しもうまくいかない、親戚に預けてもうまくいかない、なんなら弟に対して愛着さえ生まれてる、自身の夢が絶たれるかもしれない。しかし、両親はもういない。
色々ありすぎてそれまでの感情が溢れだし、途方に暮れ、夜中のリビングですすり泣く主人公のアン•ラン。
そんな状況を知ってか知らずか、6歳の弟ズーハンがリビングまで起きてきて言う。雷が怖くて眠れないと。
仕方なく一緒に寝るのだが、寝付ける際にアン•ランは、ズーハンにいくつかの質問をされる。
「僕がいなくなったら恋しくなる?」
アン•ランは「そうかもね」と答える。その答えを聞いて安心したのかズーハンは「お姉ちゃんは灰になってほしくない」と言い残して寝るのだった。
翌日、この弟ズーハンが幼稚園の友達と協力してとんでもない行動を起こす。
当然、姉のアン•ランが幼稚園に呼び出されるのだが、明らかに本心とは思えない弟の行動にアン•ランは、ズーハンを問い詰める。
ズーハンは、泣きじゃくり、涙で前も見えない状況で、姉のアン•ランを突き飛ばすことで精一杯だった。
アン•ランは呆れて帰る。
そんな姉の後ろ姿を確認した後、ズーハンは目を真っ赤に腫らしながらも前を見据えていた。
③里親の契約書の中身
弟の里親も見つかり、里親との最後の面談の日がやってきた。アン•ランは面談の前に両親の墓参りをする。
弟の前では気丈に振る舞っていた彼女もここでは、両親を思って頬に涙がつたう。
両親の墓に語りかける。褒めて欲しかったと。褒めて欲しかったから看護師も頑張ったし、更に北京の大学院へ行って優秀な娘と言われたかったと。
そんな褒めてくれる両親がいなくなった状況で、北京の大学院に進学する夢に虚無感さえ覚えたのかもしれない。
しかし、なぜか墓参り後のアン•ランの顔は吹っ切れたように明るかった。
帰りがけにあのだらしない叔父が墓参りにだけは欠かさず来ていたことが嬉しかったのかもしれない。
そして、ついに里親との最後の面談に向かう。
そこで、里親から合意書にサインするよう言われるのだが、その合意書のある条件に中々サインできないでいる主人公のアン•ラン。
それが、ポスターの彼女の涙に通じるのだ。
感想は以上。
結局、映画で何も解決はしていない。何も解決してはいないのだが、心温まる良い映画だったと思う。
最後の明らかにこの映画のために作りました感丸出しのエンディング曲以外は、だが。w
鑑賞する際は、ハンカチのご準備を。
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