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インタビュー#1 石松 拓人氏(NASA ジェット推進研究所)

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お仕事のはなし

今のお仕事を教えてください

NASAジェット推進研究所でシステムエンジニアをしています。

それはどんなお仕事ですか

火星探査ローバーや地球観測衛星を設計しています。

その仕事をしていて 何を面白いと感じますか

自分が設計したものが何億キロも離れた場所に行くことです。日々のひとつひとつの仕事は地味なのに、ふと星空を見上げたときに、そこで僕らの仕事が人類の文明の最前線を押し広げていることを意識して、とても不思議な気持ちになります。

その仕事の苦しいところや難しいところを教えて下さい

探査機がひとたび地球を離れるともう修理したり部品を交換したりできないので、宇宙の過酷な環境や想定外のトラブルにも対応できる設計にするために、ありとあらゆる状況のシミュレーションやテストをひとつひとつ地道に積み重ねていくところです。

こどものはなし

石松さんがこどもだったころ、何に熱中していましたか

ゲーム(特にドラクエなどRPG)、将棋、漫画(読むことも描くことも)です。

こども時代の自分がいまの自分になるまでに、なにか大きなきっかけや出会いはありましたか

保育園~小学校時代の親友と小学校4~6年生のときの恩師の存在は大きかったです。親友は勉強も運動も何もかも僕よりでき、たくさん刺激を受けました。恩師は、すぐうがった見方や人と違うことをしたがる僕を型にはめず、いつも肯定してくれました。

こどもたちに読んでほしい本、おすすめの本はありますか

好きな漫画、興味ある分野の図鑑、地図です。僕自身、少年漫画と図鑑と地図以外の本はほとんど読まない子どもでした。

未来にむけて、こどもたちが身につける資質やスキルは何だと思いますか

こどもたちに身につけてほしいと思う資質は、どんなことも半分だけ信じて半分は疑う「科学的態度」と、自分が人と違う部分を前向きに貫いていける「自己肯定感」です。また、プログラミングと英語はどこに行っても腐らないスキルだと思います。

サイエンスとテクノロジー

あなたにとってサイエンスやテクノロジーとは何ですか

僕にとってサイエンスとは人類が積み上げてきた知識を疑うこと(否定すること)、テクノロジーとは人類が積み上げた知識を具体的な形に実現すること(肯定すること)です。どちらも、政治や宗教と違い、立場によらない人類皆の共通言語であり共有財産だと思います。

サイエンスやテクノロジーがあなたの人生におよぼした影響を教えてください

こどもの頃は、人によって答えが変わらないサイエンスが好きで、特に宇宙科学への興味に導かれて勉強をしていましたが、大学に入って具体的な進路を真剣に考え始めたとき、テクノロジーを仕事にしたいと思うようになりました。それを貫き通した結果、こんな遠い異国の地に住み、人類の文明レベルの仕事をすることになったので、サイエンスとテクノロジーが僕の人生におよぼした影響は計り知れません。

あなたの現在の仕事にサイエンスやテクノロジーはどうかかわっていますか

サイエンティスト(科学者)たちが立てた宇宙や他の惑星に関する仮説を実際現地に行って調べたり証明したりするためのテクノロジーを作るのが僕の仕事です。

さいごに、子どもたちに向けたメッセージをおねがいします

時間も忘れて熱中するほど楽しいことを見つけてください。それを見つけるまでは、ひとつのことに縛られず、とにかくいろんなことに気軽に挑戦してみてください。楽しいことなら、努力を努力と思わずいつまでも続けられます。楽しいことが見つかったら、あとは雨が降るまで踊り続けるだけです。


コードアベンジャーズは、サイエンス・テクノロジーの分野のお仕事人にインタビューをさせていただいています。

最新のインタビューはインスタグラムをご覧ください。


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