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十六夜杯 短歌 審査員賞 てまり賞



11.電線のはざまに見ゆる名月の
   光こぼして届く愛づらし

つるさん
手練れの歌ですね。特に、四句と結句の言い回しがとても雅で美しい。
文語の表現もさすがです。



57.
公園のベンチの主の野良猫に
   紅葉と名付け口閉じ笑う

月夜案山子さん
ちょっとクスっとさせられます。もみじと名付けられた野良猫はどんな気持ちでしょうか。



60.中秋に月へ帰った母恋し
   優しき光永遠にとどめむ

高見純代さん
私も昨年母を亡くし 同じような思いで俳句を詠み白杯に参加しました。
ですから とても心情が理解できます。優しい月の光はお母さまの愛ですね。



73.川釣りの待つ楽しみを覚えよと
   父の笑顔は遠き秋の日

鮎太さん
時には、じっと待つことも大事です。男同士の約束、しびれます。
みんなの俳句賞受賞 おめでとうございます!



81.手を引かれあなたについて出てみれば
   夜空は月の貸切だった

しちさん
この瞬間、夜空と月が二人の世界の全てです( *´艸`)
すてき。



111.俯いた首に日焼けの痕残り
    バス停の子の秋は深まる

林白果さん
体育祭の練習とかで、日焼けしちゃうんですよね。特に 首のあたり。



150.ぐずぐずと居座る夏に遠慮して
    勝手口より上がる秋かな

雪ん子さん
いらっしゃいませ〜。そろそろ、玄関から堂々とあがれる気候になってきました。



163.どんぐりがレンガに落ちてひび割れた
    その隙間から秋が染み込む

SFさん
昔、よく、どんぐりをコンクリートで擦って、楊枝を挿し、独楽を作っていたことを思い出しました(*^^*)



248.刈田にて仕舞い忘れし鳥避けの
    缶から一つ鳴るは哀しき

花風さん
からんからん、からんからん。缶からの乾いた音色が、秋のもの哀しさをいっそう感じさせます。



281.満月が溶けていくから瓶に詰め
    朝になったらパンに塗ろうか

須崎水性さん
とろりとした、満月色の美味しそうなバターです。



以上です。感想等 短めですみません。

たくさんの短歌を応募くださいましてありがとうございました。


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