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アニソンも「デジタル」と「グローバル」の波に乗ったところが勝利する

ちょっと前に、話題になった現在のアニソンを考察したブログがあります。

ブログ主は、破壊された「現在のアニソン生態系の原因考察」として、以下の4点を挙げています。

①若い世代や一般層へのアニメ文化の浸透
②本物志向と本物を呼べる環境
③サブスク・YouTubeの隆盛
④グローバルを意識した大作の登場

ブログ主とも被りますが、僕の考えでは2点あります。

「デジタル」と「グローバル」です。

ここ数年コンテンツ業界においては、「デジタル」と「グローバル」がホットな2つのキーワードとなっています。

映像分野ではNetflixやAmazonプライム、Disney+などが勃興しました。音楽でもSpotifyやApple Musicが、今や音楽市場を牽引しています。
ゲームは昔からグローバルでしたが、例えインディーズゲームでも、今はSTEAMを通せば全世界で勝負できます。

レイヤーを一段下げて、アニメはどうでしょうか。

日本のアニメ市場も、2021年は再び国内市場が逆転しましたが、一昨年は初めて海外市場が国内を上回っている状況です。

また2011年の海外市場は2,669億円でしたが、10年後の2021年は1兆3,134億円まで伸びています。(動画協会調べ)

主な理由の一つとしては、日本のアニメを全世界へ容易に届けられるインフラ(配信サービス)が整ったからです。
今や海外抜きで、アニメ産業は成り立ちません。アニソンも同様の立ち位置だと容易に想像できます。

特にアニメ関連楽曲(≒アニソン)は、日本の音楽コンテンツの中でも海外で極めて強いです。

Spotifyによると2022年、海外で最も再生された国内楽曲は以下となります。

■海外で最も再生された国内アーティストの楽曲(Spotify)
①死ぬのがいいわ / 藤井風
②夜に駆ける / YOASOBI
③The Rumbling / SiM
④廻廻奇譚 / Eve
⑤紅蓮華 / LiSA
⑥残響散歌 / Aimer
⑦Tokyo Drift(Fast & Furious) - From "The Fast And The Furious: Tokyo Drift" Soundtrack / Teriyaki Boyz
⑧悪魔の子 / ヒグチアイ
⑨Black Catcher / ビッケブランカ
⑩unravel / TK from 凛として時雨

今年海外でもっとも再生された日本の楽曲は?Spotifyが2022年振り返るランキング発表

藤井風とTeriyaki Boyzの2つ以外は、すべてアニメ関連楽曲ですね。

またJASRACの発表によると、2021年の海外音楽著作権収入は以下です。

■海外音楽著作権収入(JASRAC)
①NARUTO-ナルト-疾風伝BGM / 高梨康治
②ワンピースBGM / 田中公平
③NARUTO BGM / 増田俊郎
④ワンピースBGM / 浜口史郎
⑤HUNTER☓HUNTER BGM / 平野義久
⑥7つの大罪BGM / 澤野弘之
⑦ドラゴンボール超ブロリーBGM / 住友紀人
⑧ハーフムーン・セレナーデ / 河合奈保子
⑨ポケットモンスターBGM / 宮崎慎二
⑩ドラゴンボールBGM / 住友紀人

歴代JASRAC賞

こちらもアニメ関連が圧倒的です。8位の「ハーフムーン・セレナーデ」以外はすべてアニメのBGMとなっています。ちなみに「ハーフムーン・セレナーデ」は香港の人気歌手にカバーされて、末永いヒットに繋がっています。

なお国内に限っても、やはりアニメ関連楽曲は強いです。
2021年のランキングを見てみましょう。

■国内音楽著作権収入(JASRAC)
①紅蓮華 / LiSA
②炎 / LiSA
③ドライフラワー / 優里
④UFO / ピンク・レディー
⑤Pretender / Official髭男dism
⑥夜に駆ける / YOASOBI
⑦裸の心 / あいみょん
⑧廻廻奇譚 / Eve
⑨怪物 / YOASOBI
⑩天才バカボン / アイドル・フォー(Idol Four)

歴代JASRAC賞

5曲がアニメ関連となっております。なお古い楽曲は遊技機やCMなどからの収入も大きいです。ピンク・レディーのランクインが象徴的です。

国内の音楽市場は、まだまだフィジカルが強かったり、遊技機という特殊性もありますが、総じて「デジタル」と「グローバル」の2つの潮流に乗れた楽曲・アーティストが頭角を現しています。

この流れは止めようがありません。

アニソンも、
世界的ですもんね 乗るしかない、このビッグウェーブに
ですね。


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