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散歩日和、撮影日和。

 ひところは天窓から曇り空ばかり見えていたのだが、最近は暑さがぶり返してきたようだ。日中は二十度を超える陽気で、外を歩いていると軽く汗ばむ。十月のフランスにしては例外的な気候だ。かっきりと青く晴れ渡った空に羊雲が浮かんでいる。そこに飛行機雲がまっすぐな線を描いて飛んでゆく。
 十月の散歩は秋色を探すのに夢中になる。赤く色づいた蔦の葉、可憐な桃色のアネモネ。オリーブ色のどんぐりの実が少しずつ茶色くなりはじめ、すすきの穂がさやさやと揺れる。マルシェに行けば、童話にでも出てきそうなころんと丸いかぼちゃの鮮やかなオレンジ、みずみずしい茄子の紫が目に飛び込んでくる。


マルシェでの収穫品。

 散歩をしていて、ふと見つけたサン・アンドレ教会に入ってみる。
坂道の上にひっそりと建てられたちいさな教会で、一見するとふつうの建物なのだが、よく見ると側面は灰褐色の石造りの壁で、正面は黄土色の煉瓦で出来ている。十八世紀に建てられた古典的な教会と、十九世紀末に建てられたネオ・ゴシック様式の教会という、二つの建物を統合したものらしい。


サン・アンドレ教会

 足を踏み入れると、ステンドグラスのまぶしい光と共に素朴な木彫りの聖母マリア像が迎え入れてくれる。祭壇の両脇には、百合の花を基調にした美しい壁を背に聖人像が佇んでいる。ぐるりと歩いていくと、ジャンヌダルク像と目が合う。当時ほんの十六歳ほどだった少女がフランスを救う使命を担って遠征の旅に出たというのは、よく考えるとすごいことだと思う。彼女は一体どのような気持ちでいたのだろう。

ジャンヌ・ダルク像

 なんだか美しいものを見たという清々しい気持ちで帰宅する。
教会の中のひんやりした空気が、知らぬ間に肌を冷やしていたようだ。
帰宅するころには、なんだか無性におなかが空いていた。(笑)

 さて、明日は何をしようかな。

Vlog 2 Eglise Saint-André 


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