心の喫茶店

旦那は病気が発覚してから約半年で逝った。
旦那が他界したときわたしは30代半ば、娘は1歳。
令和元年生まれの娘は現在保育園の年少クラス。元気にすごしている。

わたしは病名自体に深い意味はないと考えている。
心身のバランスを崩した結果、病気という現象があらわれるのだろう。
だから、ここでも旦那の病名についてはあえてふれないでおく。

旦那はわたしより年上ではあったが、日本の平均寿命にはほど遠く、旦那の三回忌を終えても義父が生きているところを見ると、世間で“早すぎる死”と言われるのは仕方ない。

3年間にも満たない結婚生活であったわたし達夫婦。
出会いから1年間と少しで結婚し、娘も結婚から1年経たずにわたしのお腹に宿ってくれたから、
結婚した翌年に出産、
出産した翌年に旦那の病気発覚、
旦那の病気発覚の翌年に旦那他界、
と、まあ、ジェットコースターのような結婚生活だった。

旦那が他界した年に引っ越し旦那の希望に叶うお墓を建立、
引っ越しの翌年苗字をわたしの結婚前の姓に娘とともに改め職業訓練校に娘を保育園に預け入れ通学、
そしてその翌年、法人を設立。
と、まあ、ジェットコースターのような結婚生活のその後だった。

でも、わたしはジェットコースターが好きではない。
好きなのは喫茶店。
それも静かな昔ながらの雰囲気の落ち着いた喫茶店。
誰かにとってわたしが喫茶店のような存在であれたのならそれはとても嬉しい。
そんなわけで心の喫茶店というペンネームで文章をしたためたくなったのだ。

1つことわっておくと、これから記す文章は人生再生物語でも困難を乗り越える物語でもない。
その時々で“わたしはどう在りたいか”を考えながら歩んできた足跡を文章化したにすぎないものだ。
ただ、そうだな、どこかの誰かに読まれてクスッと笑ってもらえたら嬉しい。

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