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「語尾まで丁寧丁寧丁寧に〜臨床家としての私の課題」 臨床心理士への随録 心理学

大学院での学内実習のひとつに、グループスーパーヴィジョン(以下GSV)があります。ひとりの先生に院生3〜4名がつき、院生が実施した心理面接報告に対する検討会が行われます。毎回2〜3件の報告があり、それが次とその次と毎週やってくるので、とてもいい訓練になっています。

GSVではその他に文献を元にした勉強会、先生の専門領域の講義などもあり、前回は複数人でリレー方式の心理面接ロールプレイに挑みました。緊張で揺れたり震えたりしながらみんなで目の前のクライエント役への支援に邁進し、実施後スーパーヴァイザーからこんなアドバイスを頂きました。

クライエント全体のアセスメントと、クライエントの今への傾聴を、初学者が同時にやろうとするとクライエントとのテンポがズレがちに。同時にできないなら、今に軸足を置いたほうがいい。初回面接なら尚更そう。
あなたは産業カウンセラー養成講座で仕込まれたとてもスタンダードな傾聴スタイルを持っている。繰り返しの技術の研磨を。例えば語尾をあげてやわらかい疑問形にして相手に返してみるとか。
語尾を大事にすること。クライエントの本当の部分は語尾にあらわれる。最後まで丁寧に聴いて、ニュアンスまで掴んで、丁寧に返していく。

「語尾まで丁寧に扱う」は、おそらくこの先ずっと線を引き続けなければならない私の課題です。完璧主義とは程遠く、仕事でもなんでも及第点くらいの出来で良しとする傾向があります。そんな自分を嫌いじゃないけど、それでは良くない場合もあるということです。

昨日は年内最後のクリニック勤務でした。強みと課題を意識しながら、クライエントに丁寧に接することを心掛けました。現場経験を積み、対応できる幅と深さが増してきた実感はありますが、そこに傲ればすぐに溺れる予感もあります。目的地はどこだろうと謙虚に探し続ける姿勢を忘れないようにしたいです。

サカナクション「新宝島」ばりに、丁寧に、丁寧に。