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「自己肯定感と、自己効力感 〜似てるけど全くの別物」 臨床心理士への随録 心理学

自己肯定感(自尊心と言い換えてもいいかもしれない)とは、全体として自分のことが価値あるものにみえることを指す。自己肯定感の低い人は、常に誰かに対しての怒りや憎しみを抱えている。

自己効力感とは、自分が行為の主体であると確信していること、自分が外部からの要請にきちんと対応しているという確信を指す。自己効力感の高い人は、課題に積極的に取り組もうとする、成功する確率が高まる、似た課題にも積極的に取り組む、その特定の行動をする際の不安が低い、などの特徴がある。

自己肯定感を高めるために、自己効力感を高めようとする人がいる。履き違えてはいけない。何かができるようになったからといって、自分を認められる(好きになる)わけではない。自己肯定感と自己効力感は全くの別物である。自己肯定感は、そのままの自分を受け入れることでしか、解決できない。

そしてこれは、なかなかに難しい作業である。

セラピストができること。それは青山テルマ程にそばにいて支えることくらいだろう。自分で自分をまるごと引き受ける覚悟は、自分の中でしか醸成できない。否定や肯定、絶望や怒りなどを繰り返し、私の言葉でいえば「自分は自分以上でも自分以下でもないという、あきらめの境地」にたどり着く。自分なりの解をつくるまで、セラピストはここにいるよ。どこもいかずに、待ってるよ。