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妊活における夫婦間でのコミュニケーション Part2

前回の記事では、不妊治療中に傷ついた・嬉しかった言葉や行動、おすすめのアサーティブコミュニケーションについてご紹介しました。

パートナーと支え合う関係を構築していく事は治療を継続していく上で非常に重要です。
今回の記事では、より詳しく、夫婦間のコミュニケーションについて、日常的に取り入れられる手法をご紹介します。



心がけたい夫婦のコミュニケーションの基本

不妊治療中は、夫婦でさまざまな情報や感情を共有することが大切です。
お互いに緊張や不安、恐れなどの複雑な感情を抱く場合も多いことから、以下のような心構えをして、良好なコミュニケーションを意識しましょう。
 

1.主観的な考え方に偏りすぎない

一生懸命に不妊治療に取り組んでいても、なかなか結果が出ない場合もあるでしょう。
そのような状況に陥ると、

「周りには子どもがいるのに、自分だけ授からないのは夫(妻)に問題があるのだろうか?」
「パートナーの努力が足りないから、妊娠しないのだ」

などと、自分本位な考えが浮かんで来てしまうかもしれません。


しかし、自分本位になればなるほど、他の情報や考え方が頭に入りにくくなってしまいます。例えば、自分の周りの出来事がすべてではありませんし、パートナーがいくら努力をしても妊娠につながらないこともめずらしくないのです。

不妊治療中は、パートナーともに情緒が不安定になることがあります。そんな時こそ、「絶対○○だ」「普通は✕✕なのに…」という主観的な考えに偏らないよう、注意しましょう。


【具体的な実践方法①】I(アイ)メッセージを使用する

メッセージとは、「私」を主語にして、自分の気持ちや考えを伝える方法のことを言います。
コミュニケーションがすれ違う時は大抵、YOUメッセージ(相手を主語にする)になり、相手を悪者にしてしまっている場合が多いのです。

そのため、「あなたがなかなか協力してくれないので、子どもが出来ない!」と言う伝え方ではなく、
「私は本当に子どもを望んでいるから、この思いを理解してくれると嬉しいな」などという表現にしてみましょう。

そうすると、相手も攻撃をされている感覚を持ちにくく、話に耳を傾けやすくなります

 

2.風通しの良い会話をする

不妊治療中は、女性の方が通院する回数が多くなりますよね。
しかし、夫婦ともに現在の治療内容がどのようになっているのかについて、理解しておくことが大切です。

不妊の原因はそれぞれの夫婦によって違いがありますし、お互いの体調や環境の変化などの影響で、当初の治療方法が異なってくるケースも生じます。

不妊治療は、治療を始めた当初と全く同じ手順で進むというわけではありませんから、その時々のステージによって気持ちの浮き沈みも体験します。

そのため、治療中はこまめに現在の状況を、夫婦間で話し合っておくことが重要です。お互いの「今感じていること」をその都度理解できていれば、ストレスに対するガス抜きが可能になるでしょう。

【具体的な実践方法②】アサーティブな会話を意識する

アサーティブとは、自分と相手の立場を大切にしたうえで、自分の思っていることや感じていることを上手く伝えるコミュニケーションの方法です。

例えば、嫌だという気持ちを伝えたい場合に、
「私は我慢ばかりしているのに!」
と、攻撃的に伝えるのではなく、
「あなたが疲れている中で悪いけれど、話したいから時間を作ってくれる?」
というような会話を心がけてみてください。

3.無駄だと思える時間も大切にする


「子どもが欲しい」という強い気持ちがあるからこそ、不妊治療を決意する夫婦は多いものです。
そのため、きっちりと通院し、食事のバランスなどにもこだわった規則正しい毎日を過ごすことに、力を入れすぎる夫婦もいるでしょう。

しかし、このような頑張りすぎる生活を続けていると、知らず知らずのうちにストレスが溜まってしまうケースが少なくありません。
そして、気が付いたときには、心身ともに疲労困憊していたという場合も。


不妊治療に、真面目に取り組むのは良いことです。
ただ、ストレスを抱えると不妊の原因になり得るという報告もあります。
そのため、頑張りすぎるだけではなく、時には好きな物を食べる日を作ったり、気分転換に旅行に行ったりなどの生活の中に楽しみを用意することが必要です。

このような一見無駄だと思える時間があってこそ、不妊治療が効果的に進む場合も多いと言えます。

 

【具体的な実践方法➂】オープンクエッションを重視する

オープンクエッションとは、自由度の高い質問のことです。イエスかノーで応えられる質問をするよりも、相手が柔軟に答えを出せる質問をすることで、お互いの会話にストレスが溜まりにくくなります。

具体的には、
「ストレスは良くないから旅行に行かない?」ではなく、
「最近疲れているようだから、何かしたいことはある?」
というように、
相手に選択肢を与えることができるようなコミュニケーションを大切にしましょう。
 
 

まとめ

不妊治療を始めたからといって、必ずしもすぐに子どもを授かるとは限りません。しかし、夫婦間のコミュニケーションが円滑に進んでいれば、治療への不安や辛さ、焦りなどを随分と軽減することができるはずです。不妊治療中は、「夫婦の仲を深める時間でもあるのだ」という気持ちを忘れずに、毎日を過ごして行ければ良いですね。

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