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なるほど東照宮(2)

それでは続きです。

日光市観光協会
パンフレットより

五重塔

五重塔(ライトアップ)

五重塔は、若狭(福井)の藩主・酒井忠勝が寄進したもの。
高さ36m、内部は吹き抜けで、中心を貫く心柱(しんばしら)は、礎石の穴の中で浮いた構造になっており、これにより地震や強風に耐えています。
「東京スカイツリー」も、この心柱構造を取り入れた建物。江戸から平成に引き継がれた技術です。

東京スカイツリー(心柱構造)


屋根構造

屋根下の垂木の角に注目
←初層〜四層 五層→

五重塔の五層目と四層目、その屋根の垂木の並び方をご覧ください。
四層は垂木が平行に並び、五層は放射状に並んでいるのがわかりますか。
(ちなみに初層から三層は、四層と同じ構造です。)
このように、初~四層が和様、五層が唐様の造りとなっていますが、これは決して間違えたわけではありません。
満月が欠けていくように、完璧なものを造ると後は崩壊につながることから、これを避ける意味合いであえてこのような構造となっているのです。
興味深いですね。

十二支

辰      卯      寅
(家光)  (秀忠)  (家康)

五重塔の初層には、十二支の動物が並び、それぞれ方角を表しています。
すなわち、正面中央は「卯(ウサギ)」なので東を表します。
ちなみに正面に並ぶ三つの干支は、右から「寅(トラ)」、「卯(ウサギ)」、「辰(タツ)」。
寅は家康公の干支、卯は秀忠公の干支、辰は家光公の干支、偶然にも徳川三代将軍の干支が並んでいます。

神仏習合

石鳥居 越しの 五重塔
(ライトアップ)

ご紹介したように、東照宮の入口には石鳥居と五重塔があります。
不思議に思いませんか?
石鳥居は神道の建築物、五重塔は仏教の建築物ですね。
そもそも古くから日光の信仰は、自然と神様と仏様を一体のものとして崇拝していました。
この光景は、そんな宗教観の表れのひとつとも言えるでしょう。
これが、「日光の社寺」が世界遺産に登録された理由のひとつでもあるそうです。

(つづく)

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