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『オンタイムの視点』

新年度に向けてサポートブックや支援計画書を作られている方はいらっしゃると思いますが、
このオンタイムの視点を理解している方は、サポートブックや支援計画書などが、
「作った時点で古くなっていくものだ」
と理解していると思いますし、
実際支援の場で時差を感じたことがある方も多いと思います。

サポートブックは作ることで終わってしまっては意味がありません。
日々の成長段階に合わせて細かくオンタイムの視点で見直して行くことが大切です。

先日、支援学校の先生からディスレクシアの生徒への配慮についてご相談をお受けしたのですが、その時も、
「その時の環境や、その時のその子の体調によっても変化しますので、細かく調整して下さい。」とお願いしました。


「支援も薬と同じで副作用がある」

立命館大学、野田正人(のだまさと)先生が仰っていた言葉です。

まさに支援も薬と同じようにオンタイムの様子を注意深く観察し、確認しながら変えていくものだと思います。


そして、思春期など揺れ動く難しい時期や他人の目を過度に気にしてしまう時期は、
「適切な支援が適切な支援になり得ないとき」があります。

我が子は、中学受験をしました。
小6のころ、女子狩りといって男の子からトイレなどに閉じ込められたりということがあったのですが、
私が危機感を抱いたのは、彼女は幼さ故にそれを「遊び」や「冗談」だと思っていたことです。
また、ディスレクシア(書字障害)のため高校受験への不安がありました。

彼女が気に入った学校が見つかり、受験を決めたのですが、塾は入塾テストではほぼ白紙の状態のためことごとく断られてどこからも受け入れてもらえず、なんとか個別の塾に入れたのですが、そこもままならず、
その時は幼児教室の講師をやっていたのですが、やめて彼女に勉強を教えました。
(余談ですが、幼児教育は元々知的な遅れを伴う自閉症児の療育が発端という説があります。)

彼女は頑張って、レベルの高い学校ではないのですが、実は特待生で合格した所もあったほどすごく頑張り、
期待を胸に中学へ入学しましたが、
結果的には上手く行きませんでした。

受験する前に障害を説明し、理解のある学校を選んだのですが、入学してその時親身になってお話を聞いて下さった管理職は移動され、
お願いしていた合理的配慮は、いじめのネタを提供しただけでした。

中学は「魔の三年間」と言われますが、どの子も余裕のない時期なんですよね。

毎日のように「ガイジ」などコソコソと悪口を言われたり、バイ菌扱いされて逃げられたりということもあった様です。

板書はデジカメで撮ることを許してもらっていたのですが、学校側の説明も誤解を生むような説明だったようで、
人の目を気にして結局デジカメを使えなかったという「適切な支援が適切な支援になり得ない」経験をしました。 

実は、このような当事者の声はよく聞きます。 

中学では通級をやめてしまう…など、他人からどう見られるかを気にしてしまうケースや、
支援者が適切な支援と思っていても当事者にとってはそうでないというケースも多々あります。

もちろん、早めの準備は大切です。
ですが、担任が変わったり、クラスのメンバーが変わったり、また学校が変わったり…と環境は変化をし、時間軸は進みます。
そして、子どもたちも成長しています。

オンタイムの視点で、その時のその子にとって必要な支援は何なのか…常に考えていく必要があります。 

適切な支援が適切になり得ないことがあること、知っておいて下さい。

「正しい」とされる支援が常に正しいとは限らないということ、少し頭の隅に置いておいて下さい。

この時期は支援をしないで、別の学びに繋げる!という選択肢があっても良いと思います。

その時のその子の気持ちに寄り添いながら、柔軟に対応していきましょう!

思春期に身につけて欲しいスキルはまた次回お話させて頂きます♪

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