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ヘルパー不足を言い訳にはできないこと。

 訪問介護事業所がすぐに仕事を断ってくる話を以前に書いたけど……
 最近では既存の利用者の仕事でも、何かと理由をつけて断ってくる事業所がある。
 断るだけならいい。
 次の事業所を探せばいいから。
 でも期日が迫っており、しかもそのサービスはその人にとっては必須……どうしてもそこは対応してもらわなければ利用者も困るし、こちらも次は探せないという状況で、断ってくる事業所がある。

『すみません。ヘルパーがいなくて』

 常套じょうとう文句ではあるが、いつもヘルパー不足のせいにするのはいかがなものかとボクは思う。
 ヘルパーがいないというのはよく分かる。
 しかし、曜日や時間がずらせる仕事は他にもあるはずだ。
 そういった仕事をうまく調整して、確実にその日に対応しなければいけない仕事にヘルパーを回すことだってできるはずなのだ。

 独居の人の食事の準備や安否確認は毎日必要だし、通院介助に関しても病院との予約の絡みもある。
 『ヘルパーがいない』からと言って、そうやって簡単に断られても困る。

『でも一回も行ったことのないヘルパーには対応させられない』

 こんなことを言う担当者もいる。
 何を甘いことを言ってるんだ。
 こんなボクでも基本情報だけ読み込んで、初見の人のサービスをヘルパーとして対応したことがある。
 もちろん利用者の性格や、サービスの種類、そして取り巻く環境などには配慮しなければならないが、それでも初見でできない仕事などないし、逆に言えば初見でも入ってもらわなければならないタイミングのサービスも多いのだ。

 初見だから他のヘルパーは行かせられない。
 でもいつものヘルパーが休んでいるから対応できませんではお話にならない。

 しかもこういう事業所に限って、直前に『対応できません』とか言ってくるのだ。

 なんでそんな直前まで引っ張るのかは分からないが、1週間前などに言われても調整は困難極まるのだ。
 そもそも新規の事業所に頼むためには事前に契約が必要になるから、『お願いね』と言ってすぐに対応できるわけでもない。
 こんなことは介護の業界においての常識である。

 いや……。

 世間の常識ではないだろうか。
 こちらが1週間前に依頼していることを、その日のうちに断るならそれは仕方ないことだ。
 でも頼んだのは1ヶ月ぐらい前で、返事がないからこちらも何度も連絡しているけど、いつ電話しても留守番電話。
 担当者にはつながらない状態。

 いい加減にしろ!!

 比較的温厚なボクでも怒りたくなる。
 こっちは24時間365日、携帯電話を持たされて、休日でもなんでもできるだけ電話には出るようにしているのだ。

『あの、留守番電話に入っていた件ですけど、その日の通院は絶対に行かなくちゃならないのでなんとかなりませんかね?』
『いや、ヘルパーがいないんで……』
『調整できないんですか?』
『はあ……やってみますけど、あまり期待しないでくださいね』
『それじゃ困りますよ!』
『てゆうか他の事業所は難しいんですか?』
『今から他の事業所にお願いしても契約する時間がほとんどないじゃないですか!』
『そうなんですね……じゃあとりあえず調整はしてみますが……無理だと思いますよ』
『やる前から無理とか言わずに前向きにお願いしますね』
『また電話します』

 やっと担当者をつかまえてもこんな会話がなされるのである。
 もう他人事なのだ。
 利用者のことも、こちらのこともまったく考えていない。
 自分たちさえ良ければそれでいいのである。

 期待できない。

 そう思ったボクは他の事業所を当たることにした。
 幸い、サービス前に契約をして仕事の手順を本人を交えてやってくれる丁寧な事業所が見つかったので良かったのだけど……。

 最初の事業所は『また電話をします』と言ったのに数日経っても電話をかけてこなかった。

 名前を出すのはいかがなものかと思うので、そこまでする気はないが、あの事業所には二度と仕事は依頼しないと心に決めている。

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