走行距離154㎞戦利品ゼロでも私は最強

今日は散々だけど、幸せな1日でした。

この記事には、一部、自慢が含まれます。
ただし、圧倒的に、散々比率の方が高い1日だったため、どうかご容赦ください。どうしても許せないという方が多い場合には、愛亀と一緒に風呂で泳ごうと思います。

いつも愛亀より遅く起きる飼い主。そして何も成し遂げることなく終わりゆく休日。You TubeやアベマTV等の無料に溶かされる休日。パジャマを着替えない休日。風呂入らない休日。（自主規制）

そんなもったいない過ごし方はしないぞと心に決めて、午前中に掃除を終わらせ、チョコチップスティックパンを齧りながら、アベマTVを見始める。溶かされ始める。

フカフカのカキ氷にされてしまう前に、身支度を整える。午前9時過ぎまで寝たことにより、顔の浮腫みも、目の充血もなく、絶好調な飼い主。真冬の恋スピードに乗ってるかもしれない。

広瀬香美を口ずさみながら、今日は、少し遠くのショッピングモールへ行こう。熱いハート溶けるほど恋してるかもしれない。（してない）

素敵な色のアイシャドウを塗って、絶好調な飼い主は、愛亀に手を振ってから家を出る。

目的地までは、片道60㎞。高速道路を快調に飛ばし、目的地へ向かう。車中、ドライブ動画撮影中かと勘違いするほど、エアカメラに向かって流暢に語り掛ける。

隣に、久保田悠来さんが乗っていれば100万点なのだが。運転してくれとは言わない。隣にいてくれ、それだけでいい。

軽快なハンドルさばきで、あっという間の往路が終わってゆく。

芦ノ湖、もといショッピングモールが近づくにつれて、渋滞がひどくなる。多少の混雑は予想していたが、駐車場はすでに満車。周辺の駐車場もすべて満車。空くまで待たんと、駐車場の前に列を成している始末。

駅直結のようなショッピングモールなので、UR賃貸で団地作れるんじゃないのってくらい、爆裂に広い駐車場はない。

よくよく考えてみれば、今日は、全国入試共通テスト。全国の高校生お疲れ様。駅に迎えにこられた親御さんで混雑していたのかもしれない。

反対側の入り口に回ってまで駐車場を探す気力もなく、復路60㎞の旅スタート。う～うう～ういぇいいぇいいぇいう～ういぇ～

復路40㎞を過ぎた辺りからゾーンに入ったのか、大した疲労感も感じなかったため、手ぶらで帰るのは惜しい、そうだ自宅近くのショッピングモールに行こうと思い立つ。エアカメラで、先ほどの混雑の様子を説明する。断っておくが、撮影はしていない。

つい1時間半ほど前にいた土地に、再び降り立つ。今度こそ、民衆に素敵なアイシャドウを見せつけるのや…と、ショッピングモールを目指す。脳内で、新時代流れる。

軽快なハンドルさばきで、さあ行くよNewWorld…が近づくにつれて、渋滞がひどくなる。多少の渋滞は予測していたが、ショッピングモールから400メートルほど手前の信号から車が動かない。

やっと見えてきた駐車場表示は、すべて満車。こんなメタモルフォーゼはいらない。

周辺の駐車場を探す以前に、この渋滞から抜け出さなくてはいけない。またしても、ショッピングモールに入ることさえ出来ぬまま、立ち去ることにした。

今日、「飼い主をショッピングモールに行かせない」という神事が執り行われているのか、ミギハヤミコハクミス。

ついに心が折れた。神か仏かサンタクロースのお導きだろう、今日ショッピングモールに行くことは諦める。せめて、愛亀水槽に入れるカルキ抜きだけ買って帰ろう。

ほぼ母屋と化したカインズホームに向かう途中、車のナビが言うのだ。「運転時間が2時間を超えました、そろそろ休憩しませんか？」

うっせぇ うっせぇ うっせぇわ

休憩しようにも、立体駐車場に入れない呪文が掛けられているのだ。

命からがら、カインズホームに辿り着く。カインズホームの駐車場に入った瞬間、平面駐車場が結界なことに安堵して、一気に力が抜けて、どっと疲れが押し寄せた。走行距離なんと154㎞。購入品なし。

真っ先に、最低限の尊厳を保つため、トイレに行く。そこには清掃の方がいらっしゃって、水盤を拭いていた。

丁寧で気持ちのいい仕事だなぁ…と、涙腺までぶっ壊れ始めながら手を洗っていると、「そのピアス、素敵ねぇ～」と話しかけてくれた。

「え、ありがとうございます（えへへ）」とビックリしながらも鼻の下を伸ばしながら返事をすると、わたしの顔を見るなり「え！あなた、すっごくキレイ！！」と言うのだ。

驚いた。何も得ぬまま154㎞走行した女が、座り続けて尻四角くなりそうな女がキレイだなんて。ご婦人は続けた。

ご婦人「この県出身の人じゃないでしょ？東京の人？」
飼い主「東京じゃないですよ（えへへ）どうもありがとうございます（えへへへ鼻下ビヨーン）」

私は最強

全てが報われる瞬間とはこのことだ。ショッピングモールに行くことさえ許されない人間は、神でも仏でも、サンタクロースでもなく、ひとりの女性に救われたのだ。

こんなドラマチックなメタモルフォーゼがあって良い。さあ、皆の衆、賛美歌を歌ってくれ。

愛亀水槽のカルキ抜きと歯ブラシ、〆て1,258円にて、カインズホームを後にする。早く愛亀に会いたい。愛おしい亀に会いたい。早く家に帰ろう。

走行距離168㎞、家を出発してから4時間。ETCとガソリン代の方が高く付いたが、家に悶々をしているよりずっと心が晴れている。だって、私は最強。

それでも、あわよくば明日こそ、ショッピングモールで、UFOキャッチャーがしたい。