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ジョジョの奇妙な冒険 第7部 『スティール・ボール・ラン』を読もう その②

こんばんは!
前回はストーリーについて語りましたが、今回はキャラクターについて語っていこうと思います。全登場人物について語りたいところですが……長くなってしまうので代表的な人物のみになります。

①ジョニィ・ジョースター
②ジャイロ・ツェペリ
③ディエゴ・ブランドー
④ヴァレンタイン大統領

①ジョニィ・ジョースター
『ずっとずっともっと『気高く』飢えなければ!』

SBRの主人公です。
ジョジョの奇妙な冒険シリーズにおいてジョースター家の精神性は潔白で強力なもののように描かれてきました。
潔白と言っても品行方正な人物という意味ではありません。歴代主人公は不良だし、ギャングだし、刑務所に入ってますからね笑

その行動が自分の考える理念に沿っているか。自分が納得するものか。

ジョースター家の潔白さというのはただその一点にかかっているのではないかと私は考えています。つまり、そのオラオラに義はあるのか?ということです。(意味がわからなかったらごめんなさい)

だから周りが考える善悪など知ったこっちゃ無いのですが大体周りの考える善悪と一致しているから不満に思われることはありません。寧ろ読んでいる人はスカッとするのです。筋が通っている、思い切った行動はかっこいい!

作中で黄金の精神という言葉でも表現されています。
戦いの美学なようなものなのですが……今作の主人公であるジョニィには見られない、というのが大きなポイント。ジョニィに正義はないのかと言われるとそういうわけではなく……。その正義が明るい性質を持っているか、暗い性質を持っているかの違いかなと私は考えます。ジョニィは間違いなく暗い性質の持ち主。

歴代のジョースター家の中では異質な存在なのです。

作中ではジョニィの性質を『漆黒の意思』と表現しています。
目的のためならあらゆる手段を選ばない、非情な心の持ち主。決して綺麗とは言えないその精神性が魅力を引き出していると思うのです。

自分の思う正義がいつも正しいとは限らない。だけど譲れないものもある。

作中ジョニィは何度も挫けそうになります。「もうダメだ!」って弱音を吐くことも多い。だけどその度にジャイロをきっかけに戦法を編み出し乗り越えていく姿は応援したくなるし成長に感動します。

『ずっとずっともっと『気高く』飢えなければ!』という言葉はジョッキーとして戦ってきたジョニィの言葉として重みがあります。

時に人は何かを得るために飢えなくてはならない。
飢えるというのは見苦しい行為のように見えるかもしれないけれどもレースにおいては重要な精神なのです。大切なのは気高く飢えること!
何もかも人から奪い取ってやる!というのはだめらしい。自分が手にしたいものだけを奪う。それが気高く飢えるということ……。難しいけどその精神性が必要な時もあるはず。

泣きながらも人として成長していくジョニィにご注目ください!

②ジャイロ・ツェペリ
『『一番の近道は遠回りだった』
『遠回りこそが俺の最短の道だった』』

ジョジョの奇妙な冒険シリーズで私が1番好きなキャラクターかもしれない!笑
最初から最後までカッコいい生き様を見せてくれるのがジャイロです。人間ができているし、ユーモアもある。師として教えを説いてくれることもあるし、とにかくいろんな魅力を兼ね備えたキャラクターなのです!

ジョニィとのやりとりも軽快で、苛烈なレースの合間に自分の考えたギャグを披露してくれたりする。毎回ジョニィが『大爆笑』と真顔で答えるのがお決まり。(本当にジョニィが面白いと思っているのか謎。だけどそこがいい笑)

ジョニィより年上だけど結構子供っぽいことをするのも面白い。レースの出場者に地味な嫌がらせを考えたりするんです。笑
クマちゃんのぬいぐるみが好きだというファンシーな一面も……。

そんな面白い一面がありながらもレースや戦う時は全力で本気。きっと読んだ人の殆どはジャイロに惚れるんじゃないかなあと思ってみたり。笑

ジャイロは絶対人のことを助ける。命懸けでジョニィを守るし、それを見たジョニィもジャイロのことを強く信頼していくようになります。自分の益しか考えなかったジョニィがジャイロの命を救うために泣く泣く遺体を敵に渡す姿は心にきましたよ!

医者だということもあるけどその優しい精神性が魅力だと思います。レースに参加しているのも巨額の報酬のためにではなく理不尽で死刑になってしまった少年の刑を撤回させるためなのですから……!
参加理由もカッコいい!

だからジャイロは常に最短距離を選んできたのですがジョニィと共にレースを駆け抜けて『一番の近道は遠回りだった』という結論に至ります。

この言葉が私の中で一番刺さりました。

まさに人の人生を体現したような言葉!私もそんな風に言える人になりたい。人生を楽しく遠回りしたいものです。
是非スティール・ボール・ランを読んでジャイロの生きざまを見届けてください!

③ディエゴ・ブランド―
『俺だけの時間だぜ』

1部からジョースター家の宿敵と運命づけられた相手、ディオですが7部のディオなんだか様子が異なります。

正々堂々と戦ってる!

ディオ自分が勝つためなら手段を選ばない性格だったのでその変化に一番驚きました。遺体の力もスタンドも関係ない、素の乗馬スキルでジョニィやディエゴを翻弄します。
他のレースの出場者と協力する節も見られいつもと違った一面をみることができてとても面白かったです。
ウェカピポのことは許せませんが。

ディエゴのハングリー精神は今までのディオと変わらずに顕在です。
ディエゴには幸せになって欲しかったけど運命がそれを許さなかった。壮絶な家庭環境は世界が変わっても変わってませんでした……。

不屈のハングリー精神を手に入れるには人生の底を見た人間なんだろうなと思ってしまう。それがディオを象徴する精神性である限りディオはずっと過酷な人生を歩んでいかなければならない。
私は辛いと思うけどディオはそんなのどうってことないんだろう。本当に心身ともに強い。

奪う側の人間であるディエゴにはその容姿端麗な見た目だけではなく不思議な魅力があります。

私は人を引きずり降ろしてまで一番になりたいなんて考えたこともないのでその力強いディエゴの精神性に圧倒されました。羨ましささえある。こういう人が勝負に勝つ人間なんだろうなと思ったほどです。

でも最近はディオやディエゴみたいな食らいついてでも奪う!みたいな精神が必要な時があるなと考えています。それが夢や叶えたいことな尚更。
少し行き過ぎではあるからやっぱりジョニィの言う通り「気高さ」、節度は必要かもしれないけど行き過ぎる人がこの世に一人ぐらいいてもいいかもしれない。

不思議な魅力に溢れたディエゴ・ブランド―を是非、SBRで楽しんでください!
急に軍服姿になるディエゴの恰好良さにも注目です。私はここでとても驚きました。サービスシーン?


④ヴァレンタイン大統領
『『試練』は「強敵」であるほど良い… 試練は「供えもの」だ りっぱであるほど良い』

七部のラスボス、ヴァレンタイン大統領については思うことが色々ありすぎます。
ジョニィも言っていたけどある意味正義の人だったのかもしれない。
ヴァレンタイン大統領は遺体の力を国家の為に利用しようとしていました。ジョニィは自身のために。ヴァレンタイン大統領は国家の安寧のため……。なんだかヴァレンタイン大統領の方が立派な人物のような気がしませんか?

それがまたSBRの面白い所で……。ラスボスが正義の心を持っているのです!正義といっても少し行き過ぎたものですが。ジョニィが待ち合せないものです。

全ての部位が揃った遺体は不幸を他者に飛ばし、代わりに幸福を得ることのできる現象を起こします。この時点でもう敵わない感がすごい(笑)

遺体の力に加え、ヴァレンタイン大統領はとんでもないスタンド能力を持っています。
「Dirty deeds done dirt cheap」(いともたやすく行われるえげつない行為)

作中ではD4Cと略されています。このスタンド名を聞くと退勤時にやってくる仕事を思い出します。
このスタンドはパラレルワールドに移動し他者を移動させることのできる能力なのです。このスタンドの恐ろしい所は並行世界の自分と出会うと死んでしまうということです。

……どういうこと?ってなりますよね。多分、この解説だけで理解できる人は数少ないと思います。私も理解しているという自信がありません。

この能力を大統領は物凄い使い方をします。
現在の自分が死にそうになったら他の次元から自分を連れてきて対処するのです!
実質不死身の能力ですが、スタンドを引き継ぐには致命傷を負った自分が死ななければならないので相当な覚悟を要します。

作中何度も自分を犠牲にする大統領を見て心苦しくなりました。もっと自分を大切にしなさいよと思ってしまう。ラスボスとはいえお見事!と称賛したくなる人物です。
大統領を目指したきっかけも戦死した父の「愛国心」を引き継いだものですし……裏主人公なのでは?と思いました。
悪役は本当に悪なのか?と疑うことのできる作品って面白いですよね!

ただ、やっぱり幸、不幸を司る力を誰かの手に委ねるべきではないと思うのです。
幸福で完全な世界なんて存在しない。存在するとしたらそれはきっと何かが大きく歪んでいるのでしょう。

D4Cのデザインと大統領の口癖「どじゃあああん」が好きです。
是非大統領の勇姿を見届けてください!

以上SBRのキャラクターについて語らせて頂きました。
最後までお付き合いくださりありがとうございます!






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