見出し画像

外出禁止令解除後のミラノの風景

イタリアは、新型コロナウイルス(Covid-19)感染拡大により発令された厳しい外出禁止令が5月18日(月)に解除された。解除後、すぐに第二波が来るのでは無いかと不安ではあったものの、なんとか現在も感染者数は下降傾向で死亡数も減少に向かっている。

イタリアのCovid-19感染状況 ※5月24日(日)18:00更新

治癒した人数:140,479人 / 現在の陽性者:56,594人 / 死者:32,785人

5月24日(日)は2月以降初めてCovid-19での死者が出なかった。(病院・地方自治体からの報告のみのため、絶対的な数字では無いようだが)そして、過去24時間の新しい陽性者数は285人と減少を続けている。

このようにイタリアは一歩一歩日常を取り戻そうとしている中、私は仕事と久しぶりの気分転換をかねて、自宅付近からDuomo近郊まで足を運んでみた。

メトロに乗るため地下に降りると、至る所に今までは無かったCovid-19対策用の看板や目印が。

画像5

外出時は常にマスクの着用を義務付けられている。

画像6

メトロのホーム・車内では人と人との距離を一定に保つために立てる(座れる)位置が決まっている。立てる場所は目印「STAI QUI」がある場所(厳密では無いが)、車内の椅子は4人席の端と端にしか座れないようになっている。ここまではっきりと注意喚起をされると安心だ。

画像1

▲Duomo di Milano

ミラノのドゥオーモ。午前中とはいえ、日中にも関わらずこれほど人がいないドゥオーモは一度も見たことがない。あまりの閑散具合に、中心に立っている全身イエローカラーの男性がとても目立つ 笑

画像2

▲Galleria Vittorio Emanuele II

ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリアはミラノにある有名なアーケードで、ここも普段は一人でも歩くのが大変なほど観光客で賑わっている。しかし写真のとおり、今はごくわずかな人々が歩いているだけだ。

このようにミラノの名所と言われる場所はどこも人が少なく、おそらく在住者のみが集っている状況だ。(イタリア国内でも州の移動には現在も制限がある。余程の理由(例えば仕事や病気の療養等)がなければ移動ができない。)

画像3

▲Duomo付近のレストラン

飲食店も再開し、食事時はとても賑わっている。(写真は午前中)二ヶ月以上禁止されていた家族や友人たちとの外食に皆とても嬉しそうだった。同席している人々は特に大きく距離を保つ訳でもなく、ごく普通に食事を楽しんでいた。普段と異なることといえば、スタッフがマスク着用であること、また、各テーブルの距離が気持ち遠い(?)ことくらいだ。

画像4

▲Rinascente Milano

Duomo近くの百貨店、リナシェンテ。入店待ちする列ができているが、客が多いために並んでいるのではなく、入口で体温測定とアルコール除菌を行うために待っている列だ。人数もそこまで多くはないので何十分も待つことはない。初めて赤外放射温度計を向けられたときは、なんだかドキドキした。その他の店舗でも入店時にアルコールジェルの使用は必須、また手袋もほぼどこの店舗でも配布をしていた。赤外放射温度計での体温測定は一部の高級店とされる店舗が行っている様子だった。

画像7

BRERA地区を歩いている際に見つけたこの絵。Covid-19による緊急事態と、それと戦う医療関係者の並々ならぬ取り組みに対する強さと感謝を表現したFranco Rivolli作「La dottoressa con la mascherina che culla l'Italia(イタリアを抱くマスクをした医者)」。抱かれているイタリア国土は赤く染まっており、負傷(血の色)を表している。それを優しく包む布はイタリア国旗のトリコロールカラーとなっている。この絵は瞬く間にSNS上で広まり、公共の看板にまで貼られるようになっていた。

このように、様々な変化がありながらもイタリアは少しずつではあるが日常を取り戻しつつある。

Covid-19によって生活習慣や文化を大きく変えられてしまったが、なんとかウイルスと共存しながら皆で心地の良いライフスタイルを模索していければ良いなと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?