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おもしろかったPodcastと、ちょっとフェーズが変わった子育てについて【これは日記】

中1の息子が最近よく本を読んでいる。
相変わらずスマホゲームは息をするように開いているし動画やアニメも観ているけれど、ちらちら様子を見ていると、文字を読んでいる時間が相対的に増えているように感じる(漫画は前から好き)。
夏休みの読書感想文は任意らしいのだが「一応やろうかな」と言い、自分で本屋で『アルジャーノンに花束を』を買ってきて読んでいる。選書が大人びていて驚いた。
少し前からラノベにハマっているようで、数少ない部活休みの日に夫と本屋に行き、数冊買ってもらっていた。どうやら読むのが速いタイプ。

ラノベって定義なんなの? と夫に聞かれたので自分の認識の範囲内で答えたのだが、一応ググってみる。

業界内でも明確な基準は確立されておらず、はっきりとした必要条件や十分条件がない。このため「ライトノベルの定義」については様々な説がある。いずれも客観的な定義にはなっていないが「ライトノベルを発行しているレーベルから出ている」「出版社がその旨を宣言した作品である」「マンガ、萌え絵のイラストレーション、挿絵を多用し、登場人物のキャラクターイメージや世界観設定を予め固定化している」「キャラクター描写を中心に据え、漫画のノベライズのように作られている」「青少年、あるいは若年層を読者層に想定して執筆されている」「作者が自称している」などが挙げられる

Wikipediaより

引用内の太字部分あたりをざっくり認識していたので、夫にはそのように説明した。まあまあ間違ってはいなかったらしい。はっきりとした定義がないのでイマイチ釈然としないけれど。

そんな話の最中に息子の持っていたラノベを見せてもらうと、やはり表紙は女の子のイラストで、巻頭にキャラクター数人のイラストと名前が載っていた。
「イラストがあるとイメージしやすいから読みやすいもんね」という話をしている時に、ふと最近聴いたPodcastでそんな話があったな、と思い出した。

この【超相対性理論】の「なぜ人は小説を読むのか」の回はとても興味深かった。創作物が好きな人にはぜひおすすめしたい回。自分が創作物に触れたり創作したりする中で漠然と感じていたことについて、言語化し新しい視点を与えてくれた。様々な本や識者の発言からの引用、ご本人たちの体験談を交えて展開される話がとてもおもしろく、ぐいぐい引き込まれた。詳しくはまた別のnoteに感想をまとめたいくらい。
この回の後編の中で、カフカの『変身』についてのこんなエピソードがあった。(↓Podcast内での大意です)

『変身』を出版する時に、表紙に虫の絵を描こうとした人がいた。カフカは「そんなことするな。虫なんか描いちゃだめだ」と言った。

【超相対性理論】「なぜ人は小説を読むのか」後編より

具体を提示するのは、つまり受け取り手の想像力を狭めてしまう行為であるということ。

このエピソードを思い出したので、息子に簡単に説明した。(カフカ、と言ったら、怪獣8号じゃん、と返された。いやそれの元ネタはフランツの方のカフカやろ、知らんけど。でも今の若い子からしたらカフカと言ったら怪獣8号だってことがわかった。かーちゃん勉強になった)

ラノベは「読みやすい」「手に取りやすい」を大事にしているから、入り口としてイラストがあるのは助けになるよね。でも文字だけで何かを表現することの可能性って、実はもっともっと広いかもしれないよね。「目を覚ますと虫になっていた」って言ったって、どんな虫を想像するかは読む人それぞれによって全然違うかもしれないもんね、と。

そんな母の力説、おそらく息子にはたいして届いていないんだとは思うけど。親のする話って別にそんな感銘受けないもんね。自分で見つけた小説のとある一節の方が、よっぽど人生に影響する。
でもいつかどこかで、たとえば図書館でカフカの名前を目にした時、「あ」と思い出して手に取ったりもするかもしれないな、なんてことも思う。

そして、こんな話を息子相手にできるというところに、なんだかうれしさを感じた。だって、相手を選ぶ話題だもの。本の挿絵にまつわる想像力の話、気軽にできる人、身近にいる? 少なくとも私はいない。話してみたらいるのかもしれないけど、そもそもそんな話題までいくことがかなりレアだと思う。

息子は結構、こういう話を好む。自分から、今読んでいる本がどういうもので、どんなところがおもしろいか、話したがる。私が話すことも、(どこまで届いてるかは別として)結構うんうん頷いて聞いている。
この感覚、なんだっけな……と記憶を辿ってみたら、そういえば亡くなった母とはこういう話、よくしていたような、と思い当たった。
これはきっと性質によるものなんだと思う。まあ環境とかも多少はあるだろうけど、9割以上持って生まれた性質なのでは。実際、同じ環境で同じ親の元で育っていても、娘はあまりそういうタイプではないし。母→私→息子と、似ている部分なんだろうなぁと思った。(でも息子はかなり口が達者な一面もあり、そこは夫に非常~に似ている)

こういう話をできる友達が学校にいるのかはわからないけど、今いないなら、これから見つかると良いなと思う。とても貴重だから。見つかるまではひとまず私が聞こう。小さい頃みたいに話を「聞いてあげる」じゃなくて、対等に話ができるようになってくると、それは私にとっても楽しみになるんだなと思って、なんだかうれしかった。


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子供の就寝後にリビングで書くことの多い私ですが、本当はカフェなんかに籠って美味しいコーヒーを飲みながら執筆したいのです。いただいたサポートは、そんなときのカフェ代にさせていただきます。粛々と書く…!