恋人とユニゾン

「和音」は音楽用語であり、3つ以上(2つの場合もある)の高さの音が同時に響くことを表す。

「和音」は、音楽理論の一番のコアとも言える。

和音が存在し無ければ、いい曲は作れない。

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恋人の存在は、例えるなら「人生の和音」だと言えるだろう

自分とは違った人生を歩む恋人は、自分に新しい価値観や生き方の可能性を与えてくれる。

二人の和音が美しく共鳴する時、それは「お似合いのカップル」と呼ばれることになる。

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そんな二人だが、もし結婚すると、二人は同じ人生を歩むことになる。

同じ親戚ができる。同じ故郷ができる。

もっと言えば、夫婦どちらか「一人」の将来を考えることは、必然的に「二人」の将来を考えることでもある。

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「ユニゾン」は、音楽用語であり、2つ以上の音が同時に重なった場合のことを言う。

なぜこの言葉を紹介したのかというと、「結婚は恋人とのユニゾン」だからだ。

すなわち、結婚前の「和音」ではなくなり、二人が同じ音を奏でることになるのだ。

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そうすると、どうなるか。

聞こえてくるメロディは、むしろ、やや単調になるかもしれない。

しかし、新しく生まれてきた音は、力強い。

オーケストラの演奏でユニゾンを聴いたことはあるだろうか? それは身体の芯に、響くのだ。

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「和音」が無くなった人は、悲しむかもしれない。たったひとつの音色は、やはり、少し単調である。

単調なメロディに聞き飽きた人の中には、不倫をしてしまう人もいるだろう。

しかし、ちょっと考えてみてほしい。

実際には、結婚しても「和音」は聞こえてくる。

そう、新しく生まれてくる、夫婦の子どもがいる。

子どもの人生は、二人の人生に、新しいハーモニーを奏でてくれる。

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