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「大きな不満はないけど、ここに一生いるとは思えない」という不安はどこから来るのか?

※この記事は、stand.fmにUPした内容をnote用に再編集したものです。


こんにちは。
ライフキャリア山崎(元Masaki)です。

今日の放送は、「大きな不満はないけど、ここに一生いるとは思えない」という不安はどこから来るのか?、というテーマでお送りします。


これ、最近すごくよく聞く言葉で、時代を反映しているなぁと思うんですよね。これが20年前だったら、「大きな不満はないから、ずっとここ(会社)にいようかな」だったと思うんです。

「いい大学に入って、いい会社に入る。そしてそこで定年まで働く。」

そういった価値観がベースにあったと思うので。

では、この20年で何が変わってきたのか。今日はその辺りを推察してみたいと思います。



この不安が生まれた背景を推察


この言葉が出るようになった背景として一番大きいのは「終身雇用崩壊」が色濃くなったことかな、と思っています。

2019年経団連会長の中西さんが「終身雇用は制度疲労を起こしている」と発言したあたりから、一気に世の中の空気が変わりはじめました。


たしかに、終身雇用はいい制度だったんだろうと思います。

だけど、未来永劫いい制度なんて存在しないんですよね。


経団連会長の発言通り、今の日本では終身雇用が機能しなくなってきている。これは揺るぎない事実です。

そしてその事実が、いよいよ経済界トップから宣言されたことによるインパクトは大きかったわけです。「えっ、言っちゃうの?」って感じでした。



その影響で、世の中の風潮が大きく変わったわけです。


僕たち普通の社会人も、「今の会社がなくなったとしても、他で拾ってもらえるような人材にならなきゃいけない」という意識が強くなったのではないでしょうか。

もちろん、感度の高い人たちはもっと前から動いていたでしょうが、いよいよそうじゃない大多数の人達も「終身雇用を前提としないキャリア形成を考えないといけないのかな」と思い始めたのが、去年おととしあたりから。


それに合わせて、「人生100年時代」とか「老後資金2000万円問題」とかが追い打ちを掛けて、いよいよ「もう会社には頼れない」という意識が蔓延しだしました。

そして、とどめはコロナ。

コロナによって会社の業績が悪化した人も多いと思います。

それは、「これからどうしたらいいのか」という焦りにも似た思いをさらに深める要因になるには、十分すぎる出来事だったのかもしれません。

※もちろん、まだ真っただ中ですが。


つまり、「大きな不満はないけど、ここに一生いるとは思えない」とは、意識のどこかに「会社に頼らないスキルや経験を得ないといけない」というものが入り込んでいて、でもまだ行動を起こせていないことに対する小さな焦りが生み出した言葉なのかなと、僕は感じました。

「今の仕事で得るスキルだけでは他社に通用しないから、何か考えておかないといけない」、という真意が潜んでいる気がします。

実際キャリア相談を受けていても、「他の会社で通用しないと思うんです」という言葉が明らかに増えてきました。



こういう時に注意したいこと


さて、こういう時に注意したいことをひとつお伝えします。

それは、マーケティングに持っていかれること。


不安を煽るマーケティングというのがあります。

人間というのは不安を煽られると、いとも簡単に行動してしまう生き物なんですよね。


象徴的なのは「マスク事件」で、コロナでマスクがなくなるという噂が立って、そこから一気にマスクの買い込みが起こり実際にマスクがなくなってしまいました。

想像ですが、普通のペースで購入していれば生産が追い付いていたかもしれません。だけど不安に煽られて買ってしまう人はやっぱり多かったんですね。

更にテレビでも「空っぽの棚」が映し出されて、さらに買いに行く人が増えました。結果、生産が追い付かなくなってしまって、本当にマスクが買えなくなりました。


これは、実際マーケティングというより自然発生的な不安かもしれませんが、「人間は得することよりも損することを嫌がる傾向がある」ことがよく分かる事例です。



では、キャリア不安に対するマーケティングはどんなものがあるでしょうか。


それは、これからの時代を生きるには「このスキル」を身に着ければ大丈夫!というものです。


たとえばそれが「プログラミング」だったとして、もともと興味のある人はいいと思うんですが、興味もないのにそこに手を伸ばそうとすると高い確率で失敗します。

※「プログラミング」が悪い、と言っているわけではありません。


人間、興味のないことをやり続けるのは苦痛なんですよね。実際、独立して失敗する理由で一番多いのは「その事業への情熱がなくなったこと」らしいです。

なので、たしかにそれの分野で成功する人もいるかもしれないんですが、大切なのは「自分の場合はどうなのか」と、一度冷静になって考えてみること。

それをすっ飛ばして、「不安だから助かりそうな道に飛びつく」のは、キャリアを余計悪化させてしまいます。



大切なのは「自分と仕事」を知って動き出すこと


これは、キャリアコンサルタントの教科書にも書いてあるんですが、キャリアを考えるときは「自己理解」が先なんですね。


いわゆるとっかかりとして「自己理解」と「仕事理解」があるんですが、不安に煽られてキャリアを考えてしまうと「仕事理解」から入ってしまいます。

「なにか、いい仕事はないかなぁ」という具合に。

もっとひどい場合は、仕事理解もしないまま行動に入ってしまうケースです。もちろん行動することはとても大切ですが、キャリア形成における「1社の重み」はエージェント出身だからこそ、分かります。

気軽に転職をして後悔した人を沢山見てきました。だからこそ、「この道を選んで後悔するなら仕方ない」と思えるほどの、心の準備が大切だと僕は思います。


「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という言葉もあるように、人生を戦略的に生きていくためには、自分と対象の情報が不可欠だということです。



ということで、今日は「大きな不満はないけど、ここに一生いるとは思えない」と思っているあなたに向けてお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。

その不安はもっともですが、あせって動いてしまうのは失敗のもとです。キャリアデザインのセオリーは「自己理解」から始めること。


「ひとりじゃ難しい」という方は、最近キャリアデザイン支援の会社も増えてきていますし、転職エージェントなどに登録して情報収集してみるのもいいでしょう。

もちろん僕もお手伝いもできますので、ぜひ公式LINEからお気軽にご相談ください。いい選択ができるよう、応援しています!

最後までご覧いただき、ありがとうございました。


山崎 将吾



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