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嫌われリーダーがコーチングを学んだら④

〈コーチングを学ぶ前の私〉葛藤編

次の日、Kちゃんは午後出勤の予定でした。
朝から、来てくれるのか?どうなのか?
元気になって、猫のように癒しの笑顔をまた
見せてくれるのだろうか?

昨日の出来事を知っていた他のメンバーは、
「喫煙所まで駆けつけて、様子を見にいったんです。気持ちは伝わっていますよ!」

問いかける前に、私の心を察したかのように、私を見てそう言った。


13時。
Kちゃんの席に、Kちゃんはいなかった。

心の中で、
そんなもんだっのか…
いや、体調が悪かったのかも?
誰か連絡受けているんじゃ?
ここでKちゃんが復活しても、
また同じことが起きるのでは?

私は、なんてことを言ってしまったのか?
私は、どんなリアクションを期待していたのか?

とにかく、色んな事を考えた。
考えても、目の前で起こった事は変わらないのに。


私の上司に報告したのは、それから間もなくして。実は、少し前に同じ部署にた、Kちゃんと同じく2期の社員登用研修メンバーだったメンバーが退職した事もあり、表情が一瞬こわばった。

「制度を作った部署で離脱が起きるのは、制度に問題があると思われる。つまり制度が運用できなくなる。今、頑張っている人のためにも、Kの存在は必要だね」

上司は、私以上に物事の先を見ていた。
そして、
「迎えに行ってくるよ」

びっくりしたけれど、そうしたい。
考える前に
「私も行きます!」そう即答した。

上司と共に、Kちゃんの自宅に行くと決めた私。

だったらやめれば?

たった8文字の言葉が招いた結果。
動いていなければ、何かをしていなければ
気持ちが落ち着かない。

やってしまった。
と、同時に
伝わっていたと信じていた
一緒に正社員として働く景色は、
心の中で灰色になり砕けていた。

山手線の車内で窓から見える景色に、
今は集中しようと必死だった。


駅徒歩5分のKちゃんの自宅。

「会えなかったら長時間かかるかも」
上司の一言に私は覚悟を決めて、
「大丈夫です」
と答えた。

主人には、自分が招いた事だから、
自分で責任とりたい、とメールして
理解してもらった。

呼び鈴をならす

一度…
しばらくしてもう一度…

誰も出ない。

私たちは、迷惑にならないように
マンションの近くで待つ事にした。


しばらくして上司が、
「コンビニ行こうか」
と私に声をかけた。
確かに水分をとっていない。

お茶を買って、外で待っていたら
会計を終えた上司が出てきて、私に丸いものをくれた。
「ちょっとでも腹にたまるもの入れときな。
 この後、何時になるかはわからないよ」
そういって渡してくれたのは苺大福。

上司の温かさと大福の餡の甘さが重なり、
そしてまだまだだなぁ、という気持ちが苺の甘酸っぱさと重なり、なんとも言葉にできない感情を抱いていた。


しばらくして
Kちゃんの一緒に住む家族と連絡がついた。

Kちゃんが家にいる事
家族も帰宅途中との事だった。

上司は、
「期待されている今を、もう一度乗り越えたら…」と家族と電話越しに必死に話していた。


その30分後、
仕事から帰宅したご家族に会えた。

「正規社員ではないのに、ここまで思ってくださっていたんですね。ありがとうございます。本人に話してきますね。」
と、上司に向かって軽く会釈しながら伝えた。

もしかしたら、Kちゃんに会えるかもしれない。
そんな気持ちも少し芽生えた。

「会えますかね…?」
上司の期待値を知りたくて、探るように質問した。
「会えないとまずいからね…」
上司は、期待とは違う感情を持っているんだと
それだけは理解できた。

そんなやりとりを2.3回繰り返していたら
家族の方が中から出てきた。
そして、

「お2人がお見えになってると聞いて、驚いていました。ただ、どうしても顔を見せられないといって、ひかなくて…。ただ、今日中に鈴木さんにメールでご連絡する事は約束すると言ってます。それなので…、申し訳ないのですが…」


上司は、メールを待つ事と、大切な存在である事、期待されて重要な時期だという事を念を押すかのように伝えていた。

そして、私たちはKちゃん宅を後にした。


〜その夜〜
約束通り、Kちゃんからメールがきた。

まさか来てくれるとは思っていなかった
という気持ちと一緒に
退職を希望するメールが…

一緒に書かれていた、
感謝の言葉は受け止めきれずに…


さらに、その後開催された責任者ミーティングで、叱責されたのは、私ではなく上司。
その姿を見る事が出来ず、ずっと下を向いて、申し訳なさだけを感じていました。

私の何がいけないんだろう?
そんな想いをいだきながら…


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トラストコーチングスクール認定コーチ
マザーズコーチングスクール認定ティーチャー
 すずき えみ
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