トーストを食べるうちの娘
うちの娘はトーストを食べるとき、いわゆる具にあたる面を、下に向けた状態で食べる。
もしこれが、ピザトーストや納豆トースト(俺は好きです)であった場合は、具は地面に向けてフリーフォールとなる。
幸いなことにうちの娘は、具がたっぷりと乗っているようなトーストをまだ食べないから、具の面が下向きでもボチボチ綺麗に食べてくれる。蜂蜜トーストのときなんかは、垂れているけれど。
どうやらこのトーストの食べ方は、うちの娘だけが行っているものではないということが、最近分かってきた。
この前、友達家族の家に泊まったときのこと。
うちの娘と友達家族の娘は、向かい合って座って朝食を食べていた。その朝ふたりが食べていたのはトースト。
ふと、あちら家族の娘に目をやると、なんと具の面を地面に向けてトーストにかぶり付いている。
僕はついつい彼女がトーストをかじるのを観察してしまった。
それが僕が、トーストの具の面を下に向けて食べるのはうちの娘に限定された行動ではなく、小さい子ども全般が行うことなのかもしれない、と気づいた瞬間。
きっと子どもたちは、トーストの具の面にこそ美味しい「モノ」または「味」があると分かっていて、こんな食べ方をしているのだろう。美味しい部分を味覚に直撃させるために。
とても理にかなった行動である。
思うに、人間の行動は味覚によって決定されることが少なくない。味覚を満たすためなら、なかなか突き抜けた行動を取ってしまうことだってある。
それが野生の本能なのだと思う。
例えば、甘いもの。どうしても甘いものを食べたいときがある。甘いもののためならなんとやらである。
授業中だけど机にの中に隠しておいたおはぎをパクリ。ミィーティング中だけどこっそりとたけのこの里をサクリ。ギュウギュウの満員電の中だけど立ちながら水ようかんにガブリ。
甘いものを摂取したいという、野生の本能からくる突飛な行動。
うちの娘もそんな本能丸出しで生活している。1回お菓子やアイスを食べたいと言い始めると、食べるまでひたすらにおねだりを続ける。食べれるまでとにかく諦めない。
人間ってのは味覚に敏感な生き物なんだなと、娘のトーストの食べ方を見ていて思ったのでした。
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