【51】 セルフトークのコントロール
ルー・タイスの方法論では、アファメーション、ヴィジュアリゼーション、セルフトークのコントロールの3つが、マインドを変えていく中心的な方法になります。
今回は、セルフトークのコントロールついて、説明していきます。
セルフトークとは?
私たちは常に頭の中で言葉を発しています。それが独り言として口に出る場合もありますが、ほとんどは口に出さずに心の中で言っています。
例えば、物を探している時に「どこにあるのかな〜」と頭の中で呟いていたり、何か上手くいかなかった時に「また失敗してしまった」といった言葉を無意識に言っているかもしれません。
このような自分自身や周囲の状況について頭の中で描写している言葉をセルフトークといいます。
シンプルに「心の中での独り言」と考えていただいても構いません。
セルフトークが自己イメージを決める
セルフトークは言葉だけに止まりません。
セルフトークの言葉は、マインドの中に映像を喚起します。そして、その映像は感情を呼び起こします。
セルフトークが繰り返されることで、言葉が喚起した映像が、無意識の中でリアルになっていきます。
それが、自己イメージです。
たとえば、何か失敗したと思った時に、「また失敗してしまった」「自分はいつも上手くいかない」いったセルフトークが出てきたとします。
そのようなネガティブなセルフトークは、その状況が過ぎ去っても頭の中で繰り返されることが多いです。
そして、セルフトークが繰り返される度に、マインドの中で失敗した時のイメージが思い起こされ、その時に感じたネガティブな感情が繰り返し再体験されます。
その結果、無意識の中に「自分はいつも失敗する」という信念(belief)あるいは自己イメージが形成されていきます。
つまり、繰り返されるセルフトークによって、無意識の中に「自分はこういう人間だ」という自己イメージや、「世界はこういうものだ」というリアリティが形成されるということです。
セルフトークがパフォーマンスを決める
私たちのマインドは、無意識にある自己イメージやリアリティを維持するように働いています。
マインドは、自己イメージに合致するものしか認識せず、自己イメージに沿った行動のみをとるように自己制御しています。
言い換えれば、自己イメージがコンフォート・ゾーンを決定しているということです。
そして、そのコンフォート・ゾーンに応じたパフォーマンスしか、私たちは出すことができません。
つまり、私たちのあらゆるパフォーマンスを決定しているのは、セルフトークであるということです。
そのため、パフォーマンスを上げ、ゴールを実現していくためには、セルフトークをコントロールする必要があります。
セルフトークをコントロールする
セルフトークをコントロールするためには、まず、セルフトークを意識に上げることが必要です。
そして、ゴールを実現した時の自分には相応しくないと思うセルフトークに気づいたら、適切なセルフトークに置き換えていくことが重要です。
意識的に置き換えることを繰り返していけば、次第に、無意識にしているセルフトークもゴールに対してポジティブなものになっていきます。
また、ネガティブなセルフトークを排除することも重要です。
「どうせうまくいかない」「やっぱりだめだ」といった後ろ向きなセルフトークや、自分や他人に対する破壊的な批判や卑下に気づいた時は、意識的にストップをかけるようにします。
他人に対するネガティブなセルフトークであっても、自分のエフィカシーとセルフ・エスティームを下げてしまいます。
自分や他人のポジティブな面に注目し、肯定的な内容のセルフトークにしていくことが、自己イメージを向上させることにつながります。
ワーク
ルー・タイスがよく勧める「ゲーム」を紹介します。
これから24時間、一切ネガティブなセルフトークをしない、と決めて過ごしてみてください。
そして、その間の自分のマインドを観察してみてください。