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対立、喧嘩、中傷から共感へ。全てのコミュニケーションで意識すべき4つのポイントとは?

家庭でも、職場でも、国同士でも、あらゆる場面で人間同士の対立や喧嘩は絶えません。
人間には本来相手と共感し、助け合う能力があるのに、
どうして対立が起こってしまうのか?
もっと共感を育むようなコミュニケーションの方法はないのか?

そのような問いをもとに開発されたのがNon-violent Communication (NVC)非暴力コミュニケーションという対話法です。
とてもシンプルながらいつでも、どんな対話にでも使える方法を
NVCの教科書とも言える本を読んだので、紹介します!



相手を疎外するようなコミュニケーションって?

そもそもなぜ喧嘩や対立につながってしまう、避けたいコミュニケーションはどんなものでしょうか?
相手を阻害してしまうようなコミュニケーションとしてあげられているのは二つ。

一つは自分の一方的な価値観から何かが悪いとか間違っていると決めつけてしまうコミュニケーション。例「あいつは欲張りだ」

もう一つは、人と人を比べてしまうようなコミュニケーションです。何かを比べている時も、そこに何らかの価値判断が無意識に働いていますね。例「日本人はアメリカ人よりシャイだ。」


疎外を共感に変える4つのポイント


NVCでは価値観が異なる人の間でもコミュニケーションを通じて、相手を理解して共感を育む関係を目指します。そのためのポイントは以下の4つです。

  1. 観察

  2. 感情

  3. ニーズ

  4. 要求

これら4つのことに注意しながら自分のことを表現し、相手のことを共感を持って聴き、受け入れることが、共感に基づく関係作りにつながります。


観察

一歩目は、何が起こっているのか、あるいは相手が発していること、行動していることをそのまま観察すること。この時点では善悪の判断を下さないことが大事です。

感情

観察したことに基づいて、自分にどんな感情が湧いてきたのかを次に表現します。悲しかった?傷ついた?驚いた?など。

ニーズ

自分のどんなニーズ、価値観、欲求があって、そのような感情が生まれたのかを説明します。

要求

最後に、どんなことを相手に求めるかを具体的に要求します。

NVCを使った表現の具体例


少し抽象的なので、本から具体的な例を紹介しますね。息子が靴下を脱ぎっぱなしでリビングルームに置きっぱなしにしたことに母親が反応する場面です。「あなたは本当にだらしないわね!」と言ってしまうと疎外や対立につながる場面。NVCに基づくコミュニケーション方法は

あなたが履いた靴下がリビングルームに落ちたままになっている。それを見て、今私はイラッとしているわ。私もリビングルームを一緒に使う人として、リビングルームは居心地がいい場所であって欲しいの。その靴下を今、洗濯機まで持っていってくれない?

上の四つの要素が入っていることがわかるでしょうか?
要求が最後に入っていることからもわかるように、全てのことを受け入れることで対立を避けるわけではなく、自分の要求を伝えることは大事です。ただ、それを自分のニーズと結びつけて、善悪の評価なしに伝えることができれば相手との無駄な対立を避けることができます。

相手のことを受け入れる時も4つのことに気をつける

この例は自分から発信する例でしたが、
相手の行動や意図を解釈するときも、この4つをもとに紐解きます。
この時も、

  1. 相手がどんな行動や発言をしているのかを観察

  2. 相手の感情を理解する

  3. 相手の感情につながったニーズや価値観を分析

  4. 相手の具体的な要求を聞く

というプロセスですね。


NVCの活用法

とても奥が深そうなNVCですが、この4つを意識することは日常のいろんな場面で役立ちそうです。
奥さんや子供との会話でも棘のある会話になりがち。
特に子供かな。

あとは会社でもお互い同意出来なことがあった時に、建設的な議論がしたいときとか。
最後に、自分自身との対話、自分自身への理解にもこの4つのポイントは使えます。自分自身の感情やニーズを切り離して分析することもできますね。

戦争や民族対立などの場面でも活用されるNVC。
人間関係やコミュニケーションの向上に参考になりました。



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