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コミュニケーションが上手になる、3つの原則とは?

コミュニケーションに関するとても素敵な本を読みました。

Say What You Mean: a mindful approach to nonviolent communication
Oren Jay Sofer

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残念ながら和訳版は出ていないようですが、
英語版はたくさんの5つ星レビューがついていて、
よく読まれている本のようです。

タイトルの通り、「自分の本音を伝えるにはどうするか?」がテーマになっていますが、コミュニケーションは対話なので、当然相手から本音を引き出すにはどうすればいいのか、ということにも触れています。

本音のコミュニケーションを通じて対立を超え、よりいい関係を築いたり、より上手なコミュニケーションをしていく方法を探る具体的な本です。

Non-violent Communication (NVC)=非暴力コミュニケーション
に基づいた本なので、NVCに興味のある方にもとても参考になると思います。

*NVCとは

「家族や友人から、職場、組織、国際関係まであらゆる人間関係を、支配、対立、緊張、依存の関係から、自由で思いやりにあふれた、お互いを豊かにし合う関係へと変えることを可能にする考え方、話し方という「方法」であると同時に、私たちに「なんのために、どう生きるか」を問う、根源的な「意識」でもあります。」(NVCジャパンさんより↓)


この記事では、本で描かれていた3つのコミュニケーションの原則を紹介します。

①Lead with presence

一つ目の原則は、とにかくコミュニケーションをとるときに、自分の意識と存在を<いま、ここ>に集中させることです。

メールや他の用事、考え事をとりあえずは一旦置いておいて、「私はあなたとコミュニーケーションするためにここにいます」というコミットメントを伝えることが、相手との絆を作る基礎になります。

会社での会議や家族の会話で、自分の意識を全て<そこ>に持っていくのはとても難しいことで、ついついオンライン会議中にメールを見てしまったり、家事をしながら子供の話を聞いてしまったりします。

当然、いろんなタスクをこなしながらコミュニケーションせざるを得ない場面もあると思いますが、特に自分から伝えたいこと、相手と対話したいことがある場面では、自分の全ての意識を<その場>に持っていくことが何よりも大事な出発点になります。

②Come from Curiosity and Care

2点目は相手への意識について。

自分がどんな意図を持って対話に挑むかによって、対話の方向性が決まります。

例えば、相手のことを苦手だ、嫌だと思い込んで対話に臨んだときに、その対話が良い方向に向かうことは極めて難しいのです。対話の中で相手を批判したり責めることで、相手の心はどんどん閉ざされていきます。

逆に、相手がなにか不満を持っていたときに、その不満を誰かに伝えて「聞いてもらえた」と思うだけで、相手の心やマインドが開きやすくなり、対話しやすくもなります。

建設的な対話をするためには、相手や起こった出来事に対して自分の偏見や感情をひとまず横に置き、相手がどんな感情やニーズに基づいて話しているのかを興味、関心を持って聴くことが関係を深めるために大事な要素になります。

③Focus on what matters

3番目の原則は、対話の中でどこに自分の意識を向けるかに関してのアドバイスです。

コミュニケーションの最中にはたくさんのことが起こります。自分の感情が揺れ動いたり、相手の感情を読み取ろうとしたり、自分がどう意見を伝えようか考えたり、相手が話すことを一生懸命聞いたりしています。

たくさんの情報の中で、より良い関係を構築して、問題を解決する要素になるべく注目しようと言うのが第3の原則です。

対話の中で注目すべきポイントはこんなものがあります。

問題の解決策を話し合う前に、コミュニケーションに参加している人たちがその問題に関して、あるいはお互いに対して深い理解を持っているだろうか?

揺れ動く自分の感情をちゃんと外から見つめて、分析できているか?

起こった出来事に対して判断や偏見を持たずに事実をちゃんと見れているか?

相手の感情や意見をまず聴く姿勢ができているか?相手は理解されたと思っているだろうか?

冗長にならずに、端的に、それから自分の気持ちに素直に、コミュニケーションできているだろうか?

この本の著者は仏教や瞑想のことを長く学んだ人でもあるので、自分の感情に目を向けるマインドフルネスの考えかたが取り入れられていますね。

全ての原則を、全てのコミュニケーションで行うことは現実的ではないかもしれませんが、特に重要な対話の場面でいくつかのことを意識してチャレンジしてみるだけでも、コミュニケーションの質が変わるかもしれません。

僕も会社や家庭でのコミュニケーションで、少しずつ取り入れていきたい原則です。付録として、会話の際に使える便利な英語表現リストもあるので、英語でコミュニケーションに臨む人には実践的な一冊です。



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