ひとの使命感にあぐらをかくような組織はなくなれば良い。
組織においてもっとも重要なのは人材です。
これを忘れている組織は衰退を免れ得ないと思っています。
しかし,教育と医療という分野では,人材をおろそかにしても簡単には目に見えた衰退はしません。
そこに所属しているひとたちが
命を削って,現状を保とうと必死で支えるからです。
なぜ支えるのかと言うと
教育と医療という分野は,いかに組織に問題を抱えていたり,いかに社会が無関心になったとしても,捨てることができないのは明白だからです。
目の前にいる子どもたち
目の前にいる患者さんたちを思えば,自分の仕事を「条件が悪い」というだけの理由でポイと捨ててしまうことはできないのです。
条件が悪い,というだけで仕事を辞めてもいいんです。
健全な労働は健全な精神と肉体から生まれるのだから,悪い条件で人材を確保しようとするのは健全な社会であろうとする道理に反します。
条件は職業を決める超重要なファクターです。
でも,辞められない。
その崇高で,暖かくて,誠実な理念と使命感がそれを許さない。
そして
組織はそれにあぐらをかく。
高い志をもったひとたちの想いにあぐらをかくのが組織です。安定した組織であればあるほど,中身がガタガタです。
見た目には簡単には衰退を感じさせません。
見た目は健全に稼働しているようでも,中にいるひとたちは健全を保てません。破綻した組織を使命感だけで動かし続けることは不可能です。心の炎を燃やし続けることはできません。いつか燃え尽きるのです。
だから僕は必死でした。
それにはやく気付いてほしいと思っていました。
組織においてもっとも重要なのは人材です。
それをおろそかにする組織は早めになくなったほうがいい。
みなさんが命を削ってまで組織を支える必要はありません。その高い志を活かす場は必ず他にもたくさんあります。いいえ,むしろ他にあなたを必要としている組織で働くべきです。その方がずっと生産性も高いし,世のため人のためになります。
その組織,存続させる意義はありますか?
あなたが辞めても組織はなくなりません。
中にいるひとたちが全員力尽きるまで。
火車を廻し続けるひとがいる限り。
今この瞬間を必死で廻すことに注力するあまり,数年先,数十年先に確実に廻らなくなる仕組みを維持してはいけないのです。船底にあいた穴を見て見ぬふりをしてルーティン業務をしていてはいけません。
本当に問題だと思うのなら,あなたは全力で組織の在り方を変えるか,その場を離れた方がいい。社会にはあなたが必要です。あなたのチカラが真に教育と医療のために役立つ日が来ることを願っています。
サポートいただけると燃えます。サポートしすぎると燃え尽きてしまうので,ほどほどにしてください。