なぜあなたが先に変わらなくてはいけないのか。問題解決に向けた大原則
インサイド・アウト
スティーブン・R・コヴィー著『7つの習慣』では,個性主義によってつくられた問題を解決するには,インサイド・アウト(内から外へ向けた)のアプローチが必要だと言っています。
「個性主義」というのは言わば技術論,表面的な対症療法,樹木に例えるなら枝葉の部分です。反対に木の幹や根に例えられるのが「人格主義」といって,すぐれた人格を形成する重要な考え方を指していて,まずはしっかりと根をはり,どっしりとした太い幹(=優れた人格)をつくることが大切だとされています。
個性主義によってできた問題は,同じ個性主義のレベルで解決することはできません。もっと深いレベルでの思考が必要なのです。
インサイドアウトというのは,自分の内面からスタートさせなさいということです。
要するに,内面のもっとも奥深くにあるパラダイム,人格,動機を見つめることから始めましょう!ということなのです。
「あなたが」,ではなく「私が」。
と考えると,実はできることが増えるんです。
たとえば仕事をしていて同僚や上司とうまくやっていきたいとか,成果をあげたいとか思うことあると思います。そんなときのアプローチとして,普段ついつい考えてしまうのが
あなたがもっとこうすれば,全体もずっと良くなります。
あなたたちのやり方を変えてくれないと私は困ります。
あなたがこうだから,私だってこうしたんです。
これらアウトサイド・イン(外から内)の考え方は,得てして良い結果にはつながりません。表面上,うまくいったように見えても,水面下ではたくさんの不満が渦巻くなんてことは良く聞く話です。
なにかを成し遂げようと思ったとき,改善しようと考えたとき,全体の向上やその場の全員の幸せを考えるとき,まずは自分の内側から考えを巡らせるというのがインサイド・アウトの考え方です。
そうすると不思議とやることが増えることに気が付きます。
自分以外の何かを起点にすれば,自分が今できることはとたんに少なくなります。チームを良くしようと考えても,自分以外の誰かの行動や考え方が起点だとすれば,それを待たなくてはいけませんし,行動や考えを起こすのは私ではなくて,あなたですから,いつまで待ったらいいのかもわかりません。いくら待っても起きないかも知れないんです。
であれば,私が考え,私が行動することを最初にもってくるのはものすごく自然で当たり前のことじゃあないでしょうか。
同僚とケンカした。
彼氏彼女とケンカした。
上司とケンカした。
(あ。ケンカばっかり…)
アイツが悪い。
より先に,自分の行動や考え方はどうだっただろうか?と考える。
彼女が謝らない限り,俺だって謝らない。
と考えるより先に,じゃぁまずは俺が謝ろう(彼女が謝ってくれるかどうかはわからないけど)。
上司はいつもああだ。上司が考え方を変えない限りは成果はあがらない。
と視野を狭めるのではなくて,
この状況下で私にできることはなんだろうか。そうだ,上司も納得できるような別の第3案を検討してもう1回上司に相談してみよう。
そんなアプローチをとることが大事なんですね。
そんなことわかってますよ。
とは言え,まぁそんなことみんなわかってるのだけれど,なかなか実行が難しい。わかったからといって,すぐにできたら誰も苦労してませんよね。
過去と他人は変えられない。
変えられるのは自分と未来だけだ。
そんなこともわかってますよ。
そうなの。
わかっててもできないんですよ。簡単には。
モヤモヤが心のどこかから出てきてね,私悪くないのに,なんで私が先に考えなきゃいけないの?なんで私を変えなきゃいけないの?なんて気持ちがムラムラと湧き出てきますよね。
でも僕はこう思います。
自分を変えることが難しいことをわかっているひとは,一度は自分を変えようかなと考えたひとです。
インサイド・アウトのアプローチを試みたひとです。
そのアプローチを試みたあなたなら,できないからやらなくて良い,とも思っていないでしょうし,「できない」が真実でないことを十分に知っているはずです。
と。
なぜあなたが先に変わらなくてはならないのか。
そのコタエは
それが今この瞬間からあなたが始められる唯一のことだからです。
そう考える方がより建設的だからです。
他の誰もがアウトサイド・インで考えるかもしれない。
あなたがインサイド・アウトで始めても,現実はなかなか思ったとおりにはならないかもしれない。
うまくいくこともあるだろうし,そうでないこともあるでしょう。
自分が変わっても,他の誰一人変わらないかもしれないし,誰一人あなたに賛同しないかもしれない。
自分の内側から考えるなんて無駄なことかもしれません。
それでも僕は言います。
まずはあなたが始めるんです。
あなたの内側から始めるんです。
自分はどうか,自分は何が出来るのか,自分にあるものをどう使うかを考えましょう。
少なくとも僕はそう考えています。
だから,友だちがひとりいるってことです。たぶん探せばそう考えているひとはたくさんいますよ!
みんなで相乗効果を狙っていきましょう!
7つの習慣|インサイド・アウト
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