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人が育つように、メディアも育つ。コマロン、少しずつお引っ越しします。「行き先」と、これから。

人が育つように、メディアも、場も育つ。そんな思いで、新聞記者であり、子ふたりを育てる母である私は、コマロンをゆるやかに続けてきました。

子の「根っこ」とであい、感じたこと、気づいたこと。育つ「過程」。目に見えにくい変化。子どもの繊細な気持ち。――仲間を増やしながら、ひとつひとつ、文章にして、届けてきました。最初は1人ではじめましたが、今はたくさんの方に関わっていただいています。ありがとうございます。

こんなふうに、「note」というプラットフォームで育ったコマロンですが、2歳の誕生日を前に、「場」が広がりました。

5月10日から、毎日新聞社のメディア「ソーシャルアクションラボ」の中で、「コマロン編」がはじまりました。「note」内のコマロンも今は残しますが、一部の記事は、「ソーシャルアクションラボ」でもご紹介していきます。

HSC(ひといちばい敏感な子ども)の育ちをつづる連載「せんさいなぼくは、小学生になれないの?」も、「ソーシャルアクションラボ」の中でご紹介します。

大人に伝わるように、自分の気持ちを形にできる子どもばかりではありません。「自分の気持ち」に気がつくのに、時間がかかることもあります。誰かと言葉を交わしたり、一人でじっくり思いをめぐらせたりする中で、言葉も生まれるものです。

それは大人も同じだと思います。上手に、素早く、言葉で説明できるひとが、「社会」のあらゆるところで、主導権を握っています。

コマロンは、素早く出てこない言葉を、育み、誰かに伝える場でもあると思っています。

「ソーシャルアクションラボ」に引っ越すタイミングと重なるこの春、むすこが小学生になりました。「正しく」一人でできること。椅子に座って、静かに話を聞くこと。集団生活になじむこと。保育園までの生活と大きく変わる中で、「行きたくない」と言う朝もありました。

そんなときは、突き放さず、言葉に出来ない気持ちを、ひとつひとつ、確認する時間も大切にしました。「せんさいなぼく」の連載を思いだしながら。

今の日本の社会は、子どものペースを無視した作りになっているような気がします。「口の達者な大人の都合や感覚に、子どもを当てはめる」あり方も、ちょっと不自然。

その感覚が続く限り、保育園が増えて「待機児童」が減っても、体育館にクーラーが設置されても、遊び場や立派な子育て施設が増えても、日本の「子育て」は健やかにならないと思います。

私たちなりのペースとやり方で、言葉にして、投げかけていきたいと思います。

コマロンの記事を読んで下さり、ありがとうございます。ソーシャルアクションラボの「コマロン編」ものぞいていただけるとうれしいです。これからも、コマロンをよろしくお願いいたします。

【書き手】山内真弓。子ふたり。元転勤族で、茨城、仙台、千葉、東京で子育て。コマロンをはじめた毎日新聞記者です。