<業界の話>コンサルビジネスのからくり
コンサルとして働き始めて、友人に聞かれるようになった言葉
「コンサルって普段どんなルーティンなの」
営業職や管理部門の内勤で働いている友人たちにとって、普段コンサルとは接することがない職種のようです。
そもそもコンサルって営業するのか、どうやってお金を稼いでいるのかという話を今日はしていきます。
はじめに
コンサルタントにももちろん職位があり、職位によって担当する役回りが決まっています。
コンサルの役職構造は以下記事をご参考ください。
コンサルファームによりけりですが、コンサルタントはジョブ型と呼ばれ、定常業務がない仕事をします。
ここでは、月締めの経費処理のような一定期間で業務が発生するものを定常業務、プロジェクトといったように決められた期間のなかで、臨機応変に必要な資料作成等の業務をやっていくのがジョブ型と簡単に定義しておきます。
コンサルタントが営業をするのは、プロジェクトを受注するそのタイミングのみになります。そしてスタッフレベルは営業などほぼ係ることなく、偉いパートナーやディレクターが営業し、案件を受注してきます。
一度、受注してしまえば、あとはそのプロジェクトで決められたゴールに向かってひたすら資料作りをしたり、分析したり、お客さんに意思決定を迫ったりするわけです。
達成したいゴールに向かって、決められた時間と予算と人数で走っていくのがプロジェクトというわけです。
では本題に入ります。
コンサルタントはどうやってお金を稼いでいるか
若手コンサルタントとしては、正直お金を稼いでいる感覚は薄いです。
なぜなら自分がプロジェクトに配属になった時点で、自分自身の単価が設定されており(1か月○百万円 等)、決められた期間内でこの○百万円の価値をお客さんに認めてもらえるかということしか考えないためです。
ものすごくざっくり言えば、コンサルティングというビジネスは、プロジェクト先に人を配属し、決められた期間分働いたのであれば、パフォーマンスに関係なく、お金がもらえるビジネスモデルなのです。
3か月×○百万円なんて契約体系なわけです。
成果報酬型というビジネスモデルも最近あるようですが、決められたパッケージでお金を稼ぐということがスタンダードなコンサルファームの稼ぎ方だと思います。
コンサルファームのビジネスモデルと採用人数増加のからくり
賢い方はもうお分かりだと思いますが、コンサルファームとはヘッドカウントビジネスなのです。
一人あたり○百万円の単価×複数名のコンサルのアサイン×Nか月契約
これが、コンサルファームのお金の稼ぎ方ですね。
雇い主であるクライアント企業にも予算の制約はありますが、プロジェクトの難易度や重要度に応じてそれ相応の知識・スキルを持った外部会社(コンサル)の協力が必要なわけです。
大規模のプロジェクトになれば、それだけ人数も必要になりますよね。
当然コンサルファームが送り込むコンサルタントのヘッドカウント数も増えます。
そしてより儲かるわけです。
ちなみにクライアント企業から、コンサル料が高すぎると言われることは日常茶飯事なため、時には値切られることもあるわけですが、それでも儲かるくらいの価格設定がされているのでしょう。
まぁ下っ端の私には、契約周りの事情なんてわかりませんのであくまで推測の域はでないのですが。。。
さてさて、大規模プロジェクト等に人を送り込めば送りこむだけ、利益が増えるわけですから、コンサルファームはどうするのか。
現場に送りこむヘッドカウント確保のため、外部からの採用人数を増やすわけです。
戦略コンサルファームも私のいるような総合ファームのように現場の実行支援にまで食指を伸ばしているとのことですが、理由は至極明快で、長く太く利益を出せる領域だからです。
そして戦略立案に比べると、難易度はぐっと下がります。
もちろんクライアント企業から二度と来ないでくれと言われるような質の低い人材を送り込むのは、今後の関係性も含めてNGなわけではあるが、優秀なプロジェクトリーダーがなんとか顧客をなだめてくれればなんとかなるわけです。
キーパーソンを確保して、あとは玉石混交でも人数さえ押さえてしまえば、とりあえず利益は確保できるのです。
残念ながら、短期集中・抜群の知的労働センスが求められる戦略領域とは一線を画す世界です。
ゆえに二流コンサルとか、高級文房具と業務コンサルは揶揄されるわけですね。
ただ、金は儲かる。
これが昨今のコンサルファーム拡大理由と採用人数増加のからくりなわけです。
どこの企業でも労働力不足に嘆いているわけですから、高いお金を払ってでも”使える”労働力は欲しいのです。
終わりに
コンサル大量採用の波で、コンサルファームに入った方は大勢いるでしょう。
おそらく事業会社に比べると給料は上がるはずです。
ただし、思ったより専門性なんてものがなかったり、いまいち具体性にかけていたり、本当に経営目線ってなんなのだろうとギャップに苦しむ人は多いはずです。
ここまで読んでくださったのであれば、ぜひ別記事の〈キャリア〉汎用性ってなんだも読んでみてください。きっとコンサルへのモヤモヤが増すと思います。
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