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『かさなりあう人へ』白石 一文



淡々とした筆致で綴られる中高年の恋愛小説。

始まりは1本のケチャップ。
スーパーで万引きGメンから声を掛けられた野々宮志乃は咄嗟に店の駐輪場にいた箱根勇を夫に見立てその場を逃れる。

まさに運命的とも思える出逢い。
夫に先立たれ義母と二人で暮らす四十代の志乃と、五十代の勇の交流が始まる。

容姿端麗の二人、そこに義母の男性遍歴や勇の元妻、娘のエピソードが加わり、偶然出逢った人達がかさなりあっていく。

普通の日常が描かれているのだが、美しい男女と現実味が薄い設定に、どこか御伽噺的な雰囲気を感じてしまい私には刺さらなかった。




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