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スタートアップのような組織において、多様性を最大限活用するZ世代マネジメント手法

こんにちは!クラウドサーカス開発部です。前回に引き続き、福岡開発拠点でセクションマネージャー兼Fullstar(フルスター)プロジェクトマネージャーを担う寺田さんにインタビューをしました。今回は多様性のFullstarチームでの組織マネジメントについて語っていただきました。特に、Z世代のマネジメントについて、世代間による価値観の違いをどのようにうまくまとめているのか必読です!


ーーFullstarがクラウドサーカスで最もスタートアップ感が強いのかなと思うのですが、割と無茶なスケジュールで寝る間も惜しんで開発しなければならないスタートアップとは真逆の働き方を実現しているのかなと思います。ここの要因を教えていただけますか?

寺田:そうですね。私が開発PjMを担うFullstarチームでは、プロダクトとしてスタートアップ感があっても無茶をするようなチームにはしたくないという思いでチームを運営しています。それは私だけでなくチーム全員が持っている意識だと思います。そのため、チームメンバー全員で良い開発環境を作ろうとしているのだと思います。これが一番の要因かと思います。

また、事業サイドの理解がこの状況を作れている要因でもあります。無茶苦茶な開発スケジュールを押し付けてくるわけでもなく、対話をしてお互いに納得の上で開発を進められるので、ストレスなく開発を進めることができます。

現在のFullstarの開発メンバーは、5人中3人が新卒メンバーとフレッシュな中で、私ともう一人のメンバーが過去にお世辞にも良いとは言えない開発環境の経験をしています。この経験をしているからこそ、3人のZ世代にあたるエンジニアメンバーには、しっかりとプロダクト開発に取り組める環境を作ろうと心がけています。
反面教師からではあるもののお互いを尊重し、しっかりとチーム開発ができる状態を作りたいという感じですね。無理に1人のヒーロー的存在を作らず、そこに依存しないのが良い方向に向かっているのだと思います。依存していないからこそ「自分がやる!」という部分と「誰かがやればいい」という部分の両軸を持つことができているのです。

ーーその両軸をチームで持てている秘訣はありますか?

寺田:う〜〜ん...そうですね。メンバーごとに、「ここは得意だけど別のところは苦手だよね」というのをみんなで共通認識として持てていることです。その共通認識ができているのもみんなが自分の不得手をしっかり共有しているからですし、ワンマンチームにならないような設計に自然となっているのかもしれません。

メンバーの構成的にも新卒の若手メンバーが3/5もいると、一人ひとりが自立して開発に取り掛からなければいけません。そのため、開発に悪い影響が出そうならアラートを出すように言っていますし、若いチームだからこそみんなちゃんと言い合えるようにしています。

例えば、「今回の開発ちょっと無茶あるよね」みたいな率直な会話も全然します。その上で、それぞれが協力してやろうってなります。例えば、私は無茶なお願いに対して「難しい」と言うのが苦手で、無茶なお願いが以前言われたことと本質的には同じ内容で別の切り口からの依頼となると少し躊躇してしまいます。その際は他のメンバーが「次は自分が行きますね!」と自発的に言ってくれるメンバーもいるので、チームで闘えている感じがあります。

ーー素晴らしいですね。そのマネジメント手法はどこで学んだんですか?

寺田:これは過去の経験が一番の教材になっています。「私が、私が」でやっていた時はうまくチームが回っていませんでした。プレイヤーだとしても自分ばかりが動いて周りの動きを悪くさせてしまっていた経験があります。そのため、クラウドサーカスでPMをやる際には、これまでの失敗をしないやり方を意識していました。これまでの私の上司たちと未熟なリーダーをしていた自分自身を反面教師にして今の私がいます。

なので、できるだけ横の繋がりを自分から作るようにも言っています。例えば、私はインフラについては詳しく教えることができないので、インフラチームの宋さんに話を聞きに行くように伝えています。

ーーなるほど。開発という点で他のメンバーに聞きに行くことは合理的かもしれませんが、それこそAWSインフラについて聞いても直接的に業務に活かせることは多くないのではと思いましたが、どのような意図があって話を聞きにいくことを推奨しているのでしょうか?

寺田:そうですね。それこそ、最近入ってきたメンバーが比較的上昇志向が強く、何でも分かっていたいという考えだからこそ、メンバーが学べる環境を作っているという感覚です。ただ、「できればいい」ではなく、「分かっていたい」の方が強い感じで、「知識」にのみ貪欲だと感じているので、反応や実務への影響を見ながらケアするようにしています。また、言葉一つでテンションの上がり下がりが顕著だったりもするので、メンタルケアにも繋がっていると感じる部分もありながらマネジメント業務をしていますね。

ーーメンバーに合わせて適切にマネジメントをカスタマイズしていくという意味だと思いますが、「Z世代マネジメント」という昨今流行っているキーワードで括るとどうですか?

寺田:そうですね。やはりZ世代にカテゴライズされるメンバーほど、感情が手に取るように見えます。もちろん一人ひとりの性格が違うのは前提としてありますが、共通点として言うのであれば、Z世代の3人はもれなくモチベーションのアップダウンが分かりやすいですね。

ーーこれまではメンバーマネジメントする側のポイントについてお話していただきましたが、マネジメントされる側のメンバークラスが意識するべきことは何がありますか?

寺田:エンジニアとしては、やるやらないの意思決定は自分で行うということですね。自分で意思決定しないといつまで経っても責任感を持って開発ができるようにならないと思います。これは世代関係なく必要なことですが、特にZ世代以降の若いメンバーは意識した方がいいかもしれません。

時間は有限で、いずれは自分が責任を持って開発しないといけなくなるという自覚を持った方がいいと思います。私自身、20代の頃は許されていたことがある時急になんか冷たくなったじゃん...という日が必ず来ると思っているので、細かい部分から意思決定してもらえるようには意識しています。

ーー細かい部分の意思決定とは、具体的にどんなことですか?

寺田:例えば、何かの問題に対して「どうしたらいいですか?」と答えまで求められますが、そこに「どうしたいの?」と本人がどのように意思決定をしようとするのか、助けてほしいのであれば、「〜について困っています。助けてください。」まで言わないといけないよね、という細かい部分ですね。

ーーたしかに!依頼をすることも「意思決定」ですね。

寺田:そうです。大きなことを決めるだけでなく、日常的な小さな決定も重要です。学生の頃は資格取得の勉強をするかどうかも、周りの空気感や流れで決めてしまいがちですが、社会人になったら最後は自分で決めないといけなくなります。これは世代に関係なく、みんなができるようになり、実践していく必要があります。そうしないと、いつまでも待ちの姿勢になってしまい、しんどくなると思います。

マネジメントする側からすると、過去の傾向からこれが言いたいんだろうと分かって処理してしまうこともできます。しかし、それをせずにメンバーに具体的に解決するべき問題を明文化してもらうようにしています。


Z世代の強みを活かし、多様性豊かなチームをマネジメントする秘訣を寺田さんから学びました。
世代を超えた相互理解、自立と協調のバランス、細やかな意思決定の重要性。これらが現代のIT開発現場で求められる柔軟で効果的なリーダーシップだと感じましたし、時代に合わせて進化するマネジメントの姿が見えてきました。


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