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無料アプリ「野外調査地図」にレーザ林相図を表示する

タイトルの通り。備忘録。

G空間情報センター | 林野庁が高精度な森林資源情報等を公開しました (geospatial.jp)

栃木県、高知県、兵庫県のレーザ計測成果が公開された。
ほかの県も進むといいな。

今回は栃木県のレーザ林相図タイルをAndroidスマートフォン用アプリに「野外調査地図」に表示する。
(CS立体図等も同じ要領で表示できる)


設定する

  • 野外調査地図画面の右下メニューをタップ

  • 「地図タイル」をタップ

  • 「地図タイル設定の新規作成」をタップ

  • 地理タイルの「URL」を入力

タップ、タップ、タップ

※ここで必要となるのが地図タイルのURL。配信元サイトを確認して入力する。今回は栃木県レーザ林相図なので、ここで確認
【注意】末尾の/{z}/{x}/{y}.pngは入力しない。

これ

次に進む。

  • クエリパラメータは空欄のまま

  • タイル画像形式は「png」を選択(URL末尾の情報から)

  • タイル起点は「北西」を選択

  • タイルのディレクトリ構造は「/z/x/y」を選択(URL末尾の情報から)

  • キャッシュフォルダ名はお好きに設定。今回は「栃木県レーザ林相図」とした。

  • 地図タイルの最大ズームレベル、最小ズームレベルをそれぞれ入力
    ※再度配信元サイトを確認して入力する。

最小:8   最大:18
  • ズームレベルオフセットは空欄のまま

  • タイル取得有効エリアは設定しない(チェックを入れないままOKをタップ)

  • 設定名もお好きに入力(今回はキャッシュフォルダ名と同様に「栃木県レーザ林相図」とした。)

設定完了。

表示する

  • 「レイヤー」をタップ

  • 3.入力データほかの「追加」をタップ

  • 「地図タイル」をタップ

  • 作成した名称をタップ(今回は「栃木県レーザ林相図」をタップ)

タップアンドタップ

これで表示されるはず。

こんな感じ。適宜ズームイン・ズームアウトして現地で活用しよう!

蛇足①レーザ林相図の特徴と活用

レーザ林相図は樹種の違いが光の反射の違いを生むことを利用して生まれたもの。林相判読に活用できる。

影なく鮮明、林相の違いが分かりやすい

左:国土地理院のシームレス空中写真。影になって見づらい部分がある
右:同じ場所のレーザ林相図。どの場所も鮮明に見ることができる

境界木が推定できる

例えば下図の場所の境界を推定したい場合に・・・

林相の違いから下図のように線を引きはじめたとする

例えばこんな感じ

そこで注目したいのが、ここ。

これ

オレンジ系の色を呈した立木の中に紛れて、2本だけ、緑色を呈する立木が見て取れる。
樹冠のサイズは、周囲の立木に比べ格段に大きい。
2本とも大きさ・色が似ており、おそらくは同じ樹種かつ樹齢であろうと考えられる。
こういうものは、「境界木」である可能性が高い。

ここで、これら2本の立木から少し左側に目線をずらしてみると、この2本に連なるように、周囲の立木よるやや大きめの立木が生えていることに気づく。
つまり、下図のように境界可能性のある線を加えることができる。


明確な林相の違い、ほかにはどこにあるだろう?

このようにして、実際に現地に行く前に現地の状況をある程度想定することができるので、現地踏査が非常にやりやすくなる。

地図アプリに表示することで現地で見ることができる点、現在位置と重ねてみることができる点も大きなポイントだ。

今回の栃木・兵庫・高知のように森林資源情報を公開いただけるのは大変ありがたい。ほかの県でも進んでいるレーザ計測成果の公開もしてほしい。

蛇足②

いろんなデータソースと組み合わせて活用すると、各種調査が捗る
※使用する際は、それぞれの使用許諾条件等を確認し、順守すること

地図タイル

左:栃木県森林資源データ「CS立体図」(https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/csmap_tochigi)に「登記所備付データ栃木県日光市」(法務省)(https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/houmusyouchizu-2023-1-484)をもとにG空間情報センターにて変換処理して作成したデータを重ねて表示
中:栃木県森林資源データ「レーザ林相図」(https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/ls_standtype_tochigi)
右:国土地理院シームレス空中写真タイルに「登記所備付データ栃木県日光市」(法務省)(https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/houmusyouchizu-2023-1-484)をもとにG空間情報センターにて変換処理して作成したデータを重ねて表示

いろんな情報を活用すると現地調査、事前調査や調査記録やその振り返りなどいろいろ捗る
※使用する際は、それぞれの使用許諾条件等を確認し、順守すること

たとえば…

SHPファイルとか

登記所備付地図データ等(G空間情報センター
国有林野ポリゴン、行政区域ポリゴン等(国土数値情報

QGISなどを活用して各種データを自分の使いやすい形に整えて切り出し、KMZ、GeoTiFF、GeoPDFなどとして出力し、スマホやハンディGPSでいつでも・電波圏外でも表示できるようにしておくと、調査にかなり便利
※もちろん紙ベースで出力したり、方位磁石と組み合わせたり、書き込んだりのアナログと組み合わせた探索・記録も忘れてはならない

現地調査で使えるスマホアプリの例

  • QField

  • 野外調査地図(無料。Androidだけ。SHPとかXYZタイルとか見つつトラックとポイント取るならこれかな)

  • スーパー地形(無料では機能制限。解除はサブスク型。KMZ)

  • SMASH(GeoTiffまんま見れる)

  • ジオグラフィカ(無料版は機能制限。制限解除は買い切り型。KMZファイルは画像1タイルのみのもののみ対応)

  • Earth

  • AvenzaMaps(※趣味利用以外は個人や教育利用でも約2万円のProライセンス購入が必須なので注意)

より高い精度の位置情報が欲しい場合は

位置情報の精度は高ければ高いほうが良い。
より高い精度が欲しい場合は、使用しているスマホと2周波RTK-GNSS受信機(例:ビズステーション社のRWP)などと連携する。
携帯電波圏外でRTKできない場合は後処理解析。

まとまらなくなってきたので、とりあえず終わろう。完!

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