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私がうつ病営業マンになった日

順風満帆だった営業成績

私は、どこにでもいるごく普通の大学生でしたが、就活はそれなりに頑張って、いわゆる誰もが知っているような大手企業の営業として採用されました。
折角入れたこの会社でバリバリ働いていきたいという気持ちで、商品の勉強や先輩へしつこい位の質問攻め、休日出勤、休日も仕事に関係のある書籍を買って読むなど同期に比べ自分でも努力しているなと思っていました。
そんな甲斐もあって、営業成績は1年目から先輩社員よりも良く、2年目からはいわゆる売上達成率1位を獲得など非常に充実した日々を送っていました。
程なくして、大学時代から付き合っていた彼女と結婚。
自分で言うのも気が引けますが、大手企業のトップ営業、20代前半で結婚とこの頃は自分でも人生の勝ち組になったような気分でした。

突然の倦怠感

営業成績も毎年のようにトップ3を維持できるようになり、会社の中でも自分の居場所が確立しつつあり、後輩たちの指導をする立場になってきました。
取引先からも信頼を得て、言うことがないくらいの状態にまでなっていました。
そんなある日の仕事帰り、駅から家に帰っている途中、突然誰かにのしかかられたと思うほど身体が重くなり、家までの数百メートルで息切れしてしまいました。
ただ、家に帰るとその倦怠感はなくなり、「最近仕事が忙しいから疲れているだけ」と思い、特に気にせずにいました。
今思えば、身体がSOSを出していたんだなあと思います。

日を増すごとに重くなる身体

最初のうちは気にすることなく、毎日の仕事に追われていました。ですが、日を増すごとに身体のだるさが強くなり、その頃からあることが頭をよぎります。
「もしかして、俺鬱なのか?」
やはり営業職なので、うつ病を発症された方や休職している人というのは一定数いました。ですが、その時はまさか自分が鬱になるなんてと思っていました。しかし、身体の調子と反比例するように営業成績はどんどん良くなっていたので、鬱なはずがないと自分に言い聞かせていました。

ミスが増えだす

営業成績が良くなっているとはいえ、この頃から次第に細かいミスが目立つようになりました。特に最初に増えたのが社内事務のミス。
期日までに出さないといけない書類が出せなくなったり、処理の漏れなどが明らかに増えるようになりました。
営業マンはお客様ありきの仕事なので、まだその頃は、お客様に迷惑はかからないようにしようと社内のことは後回しにするようになっていました。
とにかく営業成績を出していれさえすれば、営業マンはいいと思っていたところもあります。

起き上がれない朝

明らかに調子が悪く、こののままではマズイと思いながら仕事を続けていました。この頃、妻も私の身体を心配して、病院へ受診した方が良いのではないかと言ってくれるようになりました。
しかし、病院に行ったらうつ病と診断され、営業から外されてしまうのではないか、これまで積み上げてきたものがなくなるんじゃないかと怖くて病院には受診できずにいました。
そんなある日、朝を起きようとしても全く身体が起き上がれない。
どうすることもできない状態になりました。
この時、やっと「もう病院に行かないとダメなんだ」と「ちゃんと診断してもらわないとダメだ」と思いました。
この時、隣に妻もいましたが、ようやく楽になれるという安心感と怖さや申し訳なさ、情けなさで自然と涙が出てきたことを覚えています。

うつ病と診断された日

受診することを決め、いつもよりも早く仕事を切り上げ病院へ向かいました。
診断はやはり「うつ病」
先生からは治すには休職が必要とのこと
ですが、私は休職には踏み切れませんでした。休むことによってレッテルを会社の中で貼られてしまい、出世や昇給などに影響が出てしまうと思ったからです。
診断を受けたことで、多少安心した部分もありましたが、やはり不安の方が大きく、どうにか隠しながらできないかなと、ここでも働くことがメインで考えてしまっていました。
相談の結果、まずは薬を飲みながら騙し騙しやっていくことになりました。
妻は休んだ方がいいと言ってくれましたが、素直に受け入れることができませんでした。
薬を飲みながら良くなれば、周りは気づかないうちに直すことができると考えたからです。
今思えば、ここですぐに休んでおくべきだったのかなと思います。そんな簡単にうつ病は治らないと今であれば、自分に伝えることができるのに。。。
薬を飲みながら、うつ病であることを隠しながらの営業活動は想像以上に大変でした。


次回は診断後について書きたいともいます。


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